2010/05/18

宮崎の口蹄疫問題を憂う

口蹄疫で大騒ぎの宮崎県川南町。実は昨年私はそこに行った。写真はその時に撮った川南町の一角。南国の趣が漂っていた。川南町は私のブログにもコメントしてくれているJeffさんが農業を始める為に移住した所で、Jeffさんにお会いしに行ったのだ。Jeffさんは家畜を扱っていないので、口蹄疫の直接被害はないらしいけれど、様々な影響を受けている。全く大変だとしか言いようがない。こんな災難に比べれば、私のリーマンショックなど全く生ぬるいものだと思えて来る。

口蹄疫は牛や豚、羊、ヤギなど蹄のある動物に感染する、ウイルス性の病気。家畜が感染すると、発熱や口にできた水ぶくれなどの症状によって餌が食べられなくなり、肉量や乳量を激減させる。伝染力が強く、蔓延を防止するために、発生した農場で飼育された家畜はすべて殺処分するよう、法律で定められている。

人間には感染しない。結局、他の地域の家畜への感染を防ぐために、今宮崎で大量の牛や豚が処分されていることになる。この処分は、宮崎だけの問題ではなくて、日本の家畜産業に関わる問題なのだ。宮崎では今回の口蹄疫で風評被害も恐れているという。宮崎は危ない、といった偏見による被害だ。しかし、そもそも人間には感染しない、という事を私たちは知っておく必要があると思う。別に感染した牛の肉を食べても何ともないのだ。

口蹄疫にかかった家畜は、治療以前に伝染防止の為に殺され、しかもその農家の家畜全てが伝染防止の為に刹処分となる。相手が人間だったら許されない行為だし、またその農家にとってとても理不尽なはずだ。

昨年の川南町は実に平和な町だった。それが今は「生き地獄」になっている。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100517/214459/?P=1

それもほんの数週間の家畜伝染病の発生だけでである。政府は17日にやっと対策本部を立ち上げた。既に160億円の被害が発生した後だ。農林大臣は宮崎に行ったが、被害現場まで立ち入らなかった。首相も宮崎入りしていない。オバマ大統領が石油漏れ事故で取ったパフォーマンスと比べると、全然後手に回っているとしか思えない。

日本の首相も川南町などを訪れて欲しい。生身の体を通し、被害に遭った農家の惨状を見据え、農家を勇気づけ、支援して欲しい。そうすることで、その支援に対する国民の理解ももっと深まるだろう。川南町などの農家の痛みを自分たちの痛みとして感じる事も出来るだろう。

見えないウイルス相手は、まさしく脅威だ。一日も早くこの問題が収束してくれる事を願ってやまない。そして被害に遭った農家がまた立ち直ってくれる事を祈る。

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