2012/05/19

19年前のイラン滞在記の続き

私の印象としては、イランという国は約三十年前の日本の現状と同じだ。工業製品などで、必要なものすら入手が難しい。人々は貧しい。男性優位の社会でもある。しかしイラン人は日本人より勤勉ではない。また、規則はあっても守られることはない。生真面目な日本人には耐えがたい部分がある。

イランの千リアルが日本の30円にひとしい。物価の感覚は、例えばヨーグルト1.8リットルが2千リアル。サクランボ1キロが2千5百リアル。果物は1キロ2-3千リアル。ガソリン1リットルが百リアル、といった例から大変安いような印象を受ける。

しかしイラン人の給料が日本人の給料の額をそのままリアルとしたものの半額くらいなので、リアル感覚でいうと相当に高い。輸入品になるとさらに高い。36枚撮りのフィルムが9千リアルである。イラン人にとっては1万8千円に等しい。

町では黒い服が目立つ。男も上下黒服が多いし、女性も黒ずくめだ。特に女性はだれもが黒いコートと黒いスカーフを頭につけているので、誰が誰だかわからない。10歳から外出の際は黒コート、黒スカーフをつけなければならないそうだ。たまに違った色のコートやスカーフをつけた人に出会う。かなりお金持ちらしい。ついつい注目してしまう。

テレビは退屈だ。宗教番組、もちろんイスラム教、景色を流す番組、ニュース、スポーツ番組くらいしか流れない。たまに輸入物の刑事番組がある程度。当然、ペルシャ語だから何を言っているのかはさっぱりわからない。

トイレはしゃがむ方式で日本と似ているが、先端の丸がない。男もしゃがんで小便をする。とてもやりにくい。和式風にしゃがんでいては息子さんがどこに向いているのか確認が極めて難しい。思ったところに放出出来ない。因みにイラン人は紙を使わない。水で洗うだけ。洗った後は自然乾燥。

町中で兵士をよく見かける。銃を持っているので恐い。特にガソリンスタンドには必ずいる。ガソリンは最近3倍に値上がり、それにより暴動が発生したらしい。治安が悪くなる一方のように思える。何かが不自然であり、人々は抑圧されているように見える。

日本人スタッフは個人行動が出来ない。休日の外出はイラン人の許可が必要だ。まるで監禁状態である。警官を装った窃盗詐欺が横行しており、外国人はカモにされる。所持品のチェックをされ、その際にお金を抜かれる。私も、身分証明書を出して私を引き留めようとする人に出会った。言われていた通り、無視してその場を去った。

全ての商品には値段がついていない。相場があるらしいが、ぼられているのかどうか全然わからない。しかし、日本円にすれば安いので問題はない。例えばイランの地図がホテルの値段で1万リアル。日本円で300円。安いところは、その半値の5千リアル。それでも150円だ。確かに半値なのだが、地図なら300円で買って何の文句もない。

アンティークショップでコーヒーカップを買った時、最初3万リアルと言われた。値切る。すると半値まで下がった。サイトで働くイラン人に話をしたら、イラン人だったら3分の1の値段になるそうだ。

イランでは羊の脳味噌を食べる。で、いつ食べるかというと、朝に食べるのだそうだ。イランでは三度の食事の中で、朝が一番重い。夜が一番軽い。イラン人労働者の中には昼を抜く人もいる。朝沢山食べると昼抜きでも大丈夫なのだそうだ。ラマダンという日中に絶食するイスラム教の習慣がイランにはある。昼抜きは慣れたものなのだろう。

イランでは「朝は一人で、昼は仲のいい友達と、夜は仲の良くない友達と一緒に食事をせよ」という格言があるらしい。朝は重い食事なので友達とは分けあわず、夜は軽い食事なので大切ではない友達と一緒でよいということらしい。なんとなくせこい。

2012/05/16

19年前のイラン滞在記みつかる

1993年6月、仕事でイランに行きました。その時書いた記録が偶然に見つかり、結構興味深かったので、これをブログにアップします。手書きで残っているので、まだ気軽にノートパソを持ち歩けていなかったのでしょう。手書きできちっと漢字が書けているのが驚きです。笑
もう19年前の事ですので、イランの事情も変化しているでしょう。当時は、イラン人がたくさん日本に出稼ぎに来ていました。

----------

私は今仕事でイランに来ています。そうです、出稼ぎに・・・。イランには酒はありません。パチンコも(当然か)、ゲームセンターも、ましてやカラオケバーもありません。夜の楽しみなど一つもありません。日本人スタッフは一人で外出することを禁止されています。パスポートもサイトマネージャーに預けられています。すなわち、仕事が終わるまで夜逃げすら出来ないのです。朝現場に出かけ、夜宿に帰る日々です。逆ジャパユキさんと呼んで下さい。

昼に出るイラン食は時々異物が混ざってジャリジャリいいます。水は白い灰汁が浮いているときがあります。米はあの長くてパサパサしたやつです。これにこってり油がかけてあります。蠅がそこら中に飛んでいます。蠅と一緒に食事をしています。食事には必ずコーラがつきます。コーヒーをたのむと変な目で見られます。お前こそ変だっ!米と一緒にコーラが飲めるかっ!

トイレには紙がありません。まともに水の流れるトイレもありません。イラン人は用を足した後、水で洗うそうです。洗浄用のビデみたいなものが用意されています。洗った後は自然乾燥です。因みに私は狙った所に水が当たらず、お尻が広範囲にびしょびしょになります。当然すぐには乾きません。ど、どうしたらいいんだぁ。紙のありがたさが身にしみます。男性も小用はしゃがむそうです。(後で知りましたが、イランと日本では便器にしゃがむ向きが逆です。そこで日本式にしゃがんで用を足すと、便が流れにくいのです。)

小便でしゃがんでも、どうも慣れてないせいか、大の方もしたくなってしまうのが不思議です。なんというか、日頃引き締めている「そこ」が開放的になっているせいか・・・。

現在イランの経済は混乱しています。イラン千リアルが約30円です。だいたいフルーツの値段が1kg(全て量り売り)二千から三千リアルです。60円から90円になります。結構いいスニーカーを買ったところ、二万四千リアルでした。720円です。先日イスファハン(Isfahan)というところに行きました。テヘランから約450キロ南にある街です。このエアーチケットが往復で三万六千リアルでした。1080円です。というわけで、使えども使えどもお金が減りません。

因みにイスファハンは美しい街です。イランに来たら一度は訪れるべき町です。昔の首都(サファビー朝)だった、豊かな砂漠の中の、それでいて広大な緑の広がるオアシス都市です。イランの京都といったところです。

私の働いているところ(テヘランから車で約1時間西に走ったキャラージ Karaj 郊外)は大変乾燥しており、すぐにのどが渇きます。標高が1600mもありますが、日中は30度を超える暑さです。しかし、乾燥のため長袖を着ていたほうが暑さをしのげます。日蔭は涼しく、室内にクーラーは要りません。サイトのすぐ後ろにはエルブルーズ山脈の山並みが迫っていますが、山々に草木の一本もありません。ここら辺一帯は土漠地帯といわれています。

この暑さで人はまともに働けるはずがありません。したがってイラン人も概して働きません。時間も遅れに遅れます。そのくせ終業時間だけは必ず守ります。車の運転は大変荒く、まるで皆がカーチェイスをいているようです。混雑する道路では三車線の道路に車が五列になって走ります。車に定員はないようで(あっても取り締まらない)、一台の車に8人から10人乗っていることもザラです。6人乗りのバイクも見かけました。ヘルメットもしていません。

この様な交通無法地帯で、タクシーに乗るのは命がけです。交通事故は毎日見ます。毎日バスで1時間もかけて通勤しているのですが、怖いです。生きて日本に帰りたいと願っています。ガソリンは安く、1リットルが約3円です。以前は1円だったそうです。

私の経験では、イラン人は知り合いになるととても親切です。そこら辺は日本人に似ています。可哀そうなのは、彼らは概して貧しいことです。バスの運転手の給料が一カ月十万リアルだそうです。うちのサイトのイラン人スタッフ(エリートクラス)で三十二万リアル(約9千6百円)と聞いています。少年も平日働いています。

女性は外出の際必ずスカーフとコートを着用します。夏でも! 大抵は黒でまるでカラスです。町中にカラスがいっぱい歩いているという感じです。これは、私の眼には異様です。今まで色々な国を訪れましたが、残念ながらイランだけはなるべく早く帰国したい国です。
(後年にナイジェリアに行った際は、イランの方がまだましだったと感じた)

リヒテンシュタイン侯国の町ファドゥーツ、バルツァース

先週末お仕事でリヒテンシュタインに行って参りました。
その時の写真で、ファドゥーツの旧国会議事堂、教会、バルツァースのお城などを紹介します。川の写真は、スイスとリヒテンシュタインを隔てるライン川です。ここら辺のライン川はまだ源流域なので大河の貫録を持っていません。

リヒテンシュタインの通貨はスイスフランだし、公用語はドイツ語、スイス国境にはなんの検査所もなく、リヒテンシュタインにいるのかスイスにいるのか、ちょっとわからなくなります。しかしリヒテンシュタインに行く公共交通機関はリヒテンシュタインバスしかないので、このバスに乗ることでかろうじてリヒテンシュタインに行くという自覚が持てます。笑

これが自家用車で入ると・・・・・。

2012/05/11

てっちゃんのための、10日間スイス鉄道乗り回しの旅計画

この計画はかなりハード。しかも乗り物好きの人でなければ耐えられない。逆に乗り物が好きな人には、きっと夢の旅。

この旅程の目玉は、スイス三大列車である、ゴールデンパスラインと氷河特急、ベルニナ特急を走破。加えてスイスの東西南北全域を走破。ベルナーアルプスやマッターホルンなどを走る重要な山岳鉄道も走破。他、スイスの重要都市を訪問出来る。

日程(数字は日数)

1. Narita
1. Zurich Airport - Basel
(エアー・スイスの直行便だと午後4時頃には着くので、夕方にバーゼル市内散策が可能)

見どころは、バーゼル市内

2. Basel - Bern - Jungfraujoch - Spiez

見どころはベルン市内、ユングフラウ山岳鉄道。

3. Spiez - Montreux - Vevey - Palezieux - Lausanne - Geneve

見どころは、ゴールデンパス・パノラマ列車の車窓(VIP席推奨)、モントルー市内、ヴヴェイ・ローザンヌ間のラヴォー世界遺産風景、ローザンヌ市内、ジュネーブ市内

4. Geneve - Visp - Gornergrat - Zermatt

見どころはゴルナーグラート山岳鉄道の車窓、マッターホルンの景観、ツェルマット市

5. Zermatt - St. Moritz

見どころは、氷河特急の車窓、氷河特急全線走破

6. St. Moritz - Tirano - Lugano

見どころは、ベルニナ特急の車窓、ベルニナ特急、ベルニナバス全線走破、イタリア・コモ湖の景観、ルガーノ市内

7. Lugano - Locarno - Domodossora - Brig - Spiez - Interlaken Ost - Luzern

見どころは、ロカルノ駅周辺のマッジョーレ湖畔の景観、チェントヴァッリ急行の車窓、ドモドッソラ旧市街、シンプロン・トンネル、インターラーケン・ルツェルン間のゴールデンパス西側部分の車窓、ルツェルン市内

8. Luzern - Rigi - Sargans - St. Gallen - Zurich

見どころは、リギ山岳鉄道の車窓、湖水地帯の景観、ヴァーレン湖岸とライン川流域を走る列車の車窓、ザンクト・ガレン市内、チューリッヒ市内

9. Zurich - Zurich Airport
(スイスの直行便は午後1時頃の出発なので、午前中早くにチューリッヒ市内散策が可能)
10. Narita(飛行機の中で日にちが変わる)

スイス鉄道旅行に便利なサイト

スイス・インターナショナル航空の予約(直行便は楽だし、Web直接予約すると割安)
http://www.swiss.com/

スイス鉄道時刻表
http://fahrplan.sbb.ch/bin/query.exe/en?

スイスパスについて
http://www.myswiss.jp/jp.cfm/transport/sts/ticket/

ベルニナ特急とベルニナバス
http://www.rhb.ch/Bernina-Express.33.0.html

氷河特急
http://www.glacierexpress.ch/EN/Pages/default.aspx

ゴールデンパスラインの料金
http://www.goldenpass.ch/CMS/default.asp?ID=256


鉄道旅行部分の旅費概算
588フラン
スイスパス8日間(384フラン)を活用、他私鉄の追加や特急座席指定料金等を加算

スイス在住の人の場合は、半額パス+ゲマインデ・ターゲスカルテの活用等で実質400フラン前後。ただし、半額パスの料金は含まず。

スイス鉄道鉄道おすすめ車窓右左

私は鉄道旅行が好きなので、スイスでも結構電車を乗り回している。スイス鉄道の車窓は大変美しい。しかし、湖やアルプスの景色は車窓の右左、どちらか一方に偏ることが多い。たまたま座った席の反対側の車窓の方が、湖やアルプスの景色が美しい、なんてことはざらにある。少し損した気分になる。そこで、今までの経験をもとに、スイス鉄道に乗った際、どちら側の席に座った方が景色を楽しめるかの、おすすめリストを作成した。スイス旅行の参考としてもらえれば幸いだ。スイス在住の人でも、やはり車窓に写る景色の美しい方が楽しいだろうから、ちょっと遠出をする際の参考になると思う。イメージファイルはそのリストと補足説明、それとスイスパスを使った際に乗れる路線地図。

なお、スイスパスは鉄道のみならず、各都市の公共交通機関、ポストバス、船などが使える。スイス国境に接する、ドイツ、イタリア、フランス、オーストリー、リヒテンシュタインの町にも行くことが出来、スイスとその周辺の国々の旅には大変便利。スイス在住の人には、スイス国鉄の一日券がスイスパスの有効範囲と同じだからそれを買うといい。しかし物価高騰の折、一日券は半額パス用でも68フランと結構高い。チューリッヒ・ローザンヌ間を往復するような長距離の旅くらいでしか役に立たない。

しかし、事前に各ゲマインデで日付指定の一日券を予約購入すると、40フラン前後で購入できる。これならチューリッヒ・ベルン間程度の中距離の利用でもお得になる。ゲマインデ発行の一日券は数に限りがあり、2〜3週間先の日付でなくては購入しにくい傾向にある。そこで、各ゲマインデに買いに行く前に、事前に購入可能かの確認をした方がいい。この確認が出来るWebサイトもある。
http://www.tageskarte-gemeinde.ch/

現在、スイス国鉄の半額パスは1年から3年有効のものしかなく、1年パスは165フランと高額になってしまった。これはスイス在住の人であればまだお得であるが、1か月未満の旅をする人にはかえって割高になり、外国人用のスイスパスを買った方がお得だ。私見であるけれど、スイス全土を旅行するに要する期間は2〜3週間で十分だ。無論滞在型の旅行をしたい人にはさらに長期でも十分に楽しめる。

日本では販売されていないが、半額パスに似た外国人旅行者向け1か月有効のSwiss Half Fare Cardというものもある。
http://www.myswissalps.com/swisshalffarecard.asp?lang=EN
しかし、長期になればなるほど、スイスパスの方が割安になるので、滞在型旅行をしたい人向けになるだろう。

スイスパスに関するサイトは
http://www.myswiss.jp/jp.cfm/transport/sts/ticket/

2012/05/10

氷河特急に乗った

過去に何回か乗ってはいるのだが、乗り鉄の私としては、しばらくするとまた乗ってみたくなる。とにかく氷河特急は高原列車なんてもんじゃない。標高2000メートルを超すオーバーアルプ峠をアプト式鉄道で超えて行くのは圧巻。5月に入っても峠はまだ雪の中だ。

今日はたまたま時間が取れたので、予約なしで出発した。すいているだろうとの予測もあったから。

やっぱり乗ってよかった氷河特急。もう景色最高!そして、優雅な気分にさせてくれる。

氷河特急は今現在冬時間の運行なのだが、今週末から夏時間の運行となって便数も増える。しかし、冬期間は13フランの特急料金で乗れるのに対し、夏期間は33フランに跳ね上がる。ということで、時間もできたし安いうちにと思い急きょ計画を立てた。乗車券はスイス一日乗り放題の券を利用した。こちらのお値段は65フラン。6千円弱といったところ。

行程は、ベルンから地域快速に乗り、カンデァシュティーグ経由でブリーグへ(これは最近できた長いトンネルを通らない旧線を走る列車で、ベルナーアルプスとローヌ谷の景色が素晴らしい)。ブリーグ市内をちょっと散策して氷河特急に乗り、クールへ。クール市内もちょっと散策する。クールからインターシティでチューリッヒに行く。この区間はハイジの里、ヴァーレン湖、チューリッヒ湖などの景観が楽しめる。そこからソロトゥーンを経由してビールに行く地域快速に乗る。この区間はユラ山脈の東端の景観を楽しめる。ビールからは同じく快速でベルンまで戻る。この区間はベルナーミッテルランドの緩やかな丘陵地帯の景観が楽しめる、といったもの。

写真は氷河特急とその車窓のものを選びました。

2012/05/08

「人肉カプセル」で滋養強壮・・・カニバリズム

韓国税関、中国からの「人肉カプセル」密輸に対策強化
http://www.cnn.co.jp/world/30006502.html

さすが中国、腐敗したもの以外は何でも食べる国。昔は、塩漬けでも食べていたそうで、孔子がその人肉の塩漬けが好物だったそうだ。

問題の人肉カプセルの方は粉末にされていたということで、薬効を求めたもの。人肉の部位まで記述はないが、恐らくは肝臓あたりだろう。韓国でも以前は人間の肝臓を薬用で用いていた。韓国だけではなく、日本、中国、インドなどで広く用いられていたとのこと。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%8B%E3%83%90%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0

この人肉の薬効だが、滋養強壮、媚薬、若返り、不老不死の効果があると信じられている。どれも生命の活力に結びつくもので、宗教的な背景もありそうだ。特に敵部族の捕虜を殺して食べてしまうなどの行為は、敵の力を取り込むというほぼスピリチャルな行為といえる。人肉を摂取することによって滋養強壮や若返りの効果があると思うのは、信仰に近い。名医が処方すると、その中身が粉砂糖だけだったにしても、患者の病気が治ってしまう、という名医効果に似ている。

ただ、人肉に薬効性が全くないかといわれると、そうでもないようだ。日本でも明治までは人間の肝臓や脳などが薬にして売られていたという。動物の肝臓は現在でも漢方薬などで使われるから、必ずしも薬効がないわけでもない。

人肉の食用はカニバリズムとわれ、現在タブーとされているが、これは西洋文明の倫理観に基づくもの。その西洋文明においても、恐らくは近世にはいって発達したものだろう。ヨーロッパの十字軍などでカニバニズムがあったことが記録されている。

現在の日本でも、葬儀などで亡くなった親族の骨を食べることがあるそうだ。
私は、遠慮したい。

「胎盤」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%8E%E7%9B%A4

この記事を見ると、「ヒトの場合でも、健康によいと考えて、産婦自身や家族が産後に胎盤を食べる胎盤食の文化が世界各地で見られる。生食であったり簡単な調理をしたり様々である。」とある。胎盤は一種の廃棄物だから、人肉とは一線を画すかも知れないが、人由来の
臓器ではある。

カニバリズムは、人間の文明に古くからプログラムされているもので、現在の西洋文明のタブーをもってしても封じることは出来ない。また、タブーとなった故に、現代文明の影の部分で怪しい炎を燃やし続けている。

2012/05/07

極暑極寒期は苛烈な気候

筑波市で6日竜巻があった。新聞記事では大型のF2規模の竜巻とみられている。ある記事ではF3になるとの予測もされている。日本では最大規模の竜巻との位置づけだ。日本の竜巻被害というのは、以前からもあったけれど、近年に規模の大きい竜巻が起きている。過去最大の竜巻は2006年北海道で起きている。なお、竜巻の規模はF0からF6まであって、F6が一番強い。F6の発生はほぼ皆無。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E7%94%B0%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%AB

この北海道の竜巻では9人の死者を出している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E4%BD%90%E5%91%82%E9%96%93%E7%94%BA%E7%AB%9C%E5%B7%BB%E7%81%BD%E5%AE%B3

今回の筑波市の竜巻では1名の死者を出した。死者のみならず、多数の負傷者を出し、家屋等に甚大な被害をもたらした。

ここのところの気象は激しさを伴っている。日本のみならず、スイスでも極寒の冬が来たり、夏のような春が来たり異常だ。4月末の暖かさでは、ベルンのキャンプ場で水着姿の人々が溢れ、ついにアーレ川で泳ぐ人も現れた。4月で川泳ぎだ。日本でもあり得ない。

近年に規模の大きい竜巻が襲うようになっているのは、やはり極暑極寒期の到来を告げているように思う。そして規模の大きい竜巻の発生も稀な現象ではなくなっていくだろう。日本の様に住宅が密集している土地では、竜巻被害は深刻になる。一方で竜巻はまだ発生のメカニズムさえ解明されていない現象で、予測は極めて困難。

今のところ、雷で打たれて死ぬより竜巻で死ぬ確率の方が低いけれど、今後はせめて命を落とさないくらいの防災意識を竜巻にも持たざるえを得なくなるだろう。日本の安い火災保険は竜巻をカバーしていないものがあるそうだ。チェックが必要だ。

日本最大級の"竜巻"なぜ起きたのか!中学生が犠牲
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120507/dms1205071140003-n1.htm

この記事に【今年に入って記録的な大雪、爆弾低気圧と続き、今度は竜巻が襲った。「地球温暖化と今回の竜巻との因果関係は不明」(気象学者)というが、不可解な異常気象が相次いでいる。】とあるが、私は「極暑極寒化」と思っている。地球規模の気候変動と局所的な気象の因果関係は温暖化でなくても解明が困難か、あるいは今後数十年の観測が必要だろう。しかし、災害は待ったなしだ。

それにしてもお役所のやることは時として理解不能だ。気象庁は竜巻発生から1日が経っているにも関わらず、これを「竜巻」と断定していない。ダウンバーストという現象もあり得るとして、詳細を調査中だとか。新聞記事も公式発表がないから「竜巻と思われる」などと書いている。

Youtubeの動画
http://youtu.be/yXRSN9aV2cc

子供でもこれが竜巻だとわかる。気象庁に危機意識なし。

フランスも原発政策の転換期がやってきた

フランス大統領選でルペン氏が敗退し、新大統領はフランス社会党のオランド氏となった。調べたところ、ここの所フランス社会党の勢いがすごい。フランスの国会議員の選挙もこのあと続くのだけれど、フランス社会党が議会で政権を取ることも予測される。

そうなると、大統領と首相がフランス社会党から出るという、強固な社会党政権が生まれることになる。

オランド氏は原発を廃止するとは公約に掲げていないが、2025年までに原発の依存度を25%まで下げるとした。これは原発推進からの方向転換には違いない。フランス社会党は原発抑制の政策を支持しているので、フランスは原発推進から原発抑制への舵を切ることになるだろう。

こうした点は、日本では絶対に報道されないと思う。何故なら、日本の原発推進派には非常に都合の悪い事実だから。

このオランド氏というのは、社会党だけあって大きな政府の支持者だ。社会的な弱者を政府が助けて行こうとする考えに立っている。その財源はというと、金持ちに対する増税などが挙がっている。最高で75%も所得税が課せられるという。まず金持ちはフランスから出ていくだろうね。

スイスのフランス語圏などに金持ちフランス人がどばっとやって来るかも知れない。そういうことにスイスは騒いではいないけれど、損得勘定に極めて敏感なスイス人の事、かなり期待しているに違いない。笑

2012/05/06

異常事態突入! 「原発ゼロ」 異常事態から即時脱却を 安全技術の継承は生命線だ

おなじみ、産経新聞の記事。笑える。
「原発ゼロ」 異常事態から即時脱却を 安全技術の継承は生命線だ
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120506/biz12050603100001-n1.htm

原発ゼロがなぜ、異常事態なのか? ここら辺の設定から偏向記事の匂いがぷんぷんする。今回泊原発が止まったとして、それ以前に日本にある54基の原発のうち、53基が既に止まっていたではないの?

夏に電力不足になると予測されるとして、今夏に何基再稼働が予定されていたのやら。

野田政権から危機感が伝わって来ない、というのもわかるけれど、この記事からも、原発自体の安全に対する危機感が伝わって来ない。日本の原発建設と発電技術は世界最高水準だと書いているけれど、それでもフクシマはチェルノブイリに並ぶ世界的な原発事故となってしまった。福島県民は今も苦しんでいる。建設した後の運用も問題。保守が悪ければ優秀な機械だって容易く故障する。

加えて、事故になったらどうなるか、その対応技術は世界最低水準ではないのか?放射能除染装置の配管から大量の放射能汚染水漏れを起こす原因が、「雑草が配管に穴をあけたから」、という事実をどう受け止めるんだろうねぇ。

中国が原発建設を継続させているのは事実だろうけれど、それって、最も原発推進に対する脅威なのではないですかねぇ、日本でも事故を起こすのに、原発大国となった中国が事故を起こさないはずがない。是非ともやめてもらいたいわ。普通の椅子さえ爆発する国なんですよ、中国。
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1218084.html

中国が原発大国になったら、間違いなく放射能の雨が日本にやってくる。東電は結局逃げなかったけれど、私思うに中国人は逃げるよ、きっと。

まぁ、この種の産経記事を真に受ける日本人がいるとは思えないけれど、やっぱり受け狙いの記事なんだろね。笑えたし。爆

2012/05/05

コメよりパン! それが今時の日本人

日経新聞の記事
家計の食料品支出、パンが初めてコメを逆転
http://www.nikkei.com/news/article/g=96958A9C93819691E2E0E2E2E38DE2E1E2E7E0E2E3E09797EAE2E2E2

有料会員じゃないのでさわりしか読めなかった。
でも、今時の日本人は、コメよりパンなのね。

自分の今日の食事を振り返ってみると・・・・
朝、インスタントラーメン、昼、チャーハン、夜、カレーライス。
すごいっ、日本している・・・気がする。笑

ただ、朝インスタントラーメンに走れる人は少ないかもね。苦笑

カレーといえど、奮発してビーフカレーにして、付け合せはアスパラガスのベーコン巻だぜっ。そいで赤ワインを飲んで、気分的にリッチになって一日が終わった。

おいしい夕食とワインがあれば一日を終われる私は、かなり安上がりな人間かも。

夜の8時半だというのに、まだ明るい。あと1時間くらいは明るいだろうから、ほろ酔い加減ではあるけれど、食後の散歩でもするとしよう。ゆとりの人生ぃぃぃ。笑

2012/05/03

ドメーヌ・ルイ・ボバルに新進気鋭のエノロジスト

2008年、フィリップ・メイエル氏はドメーヌ・ルイ・ボバルのエノロジストとなった。彼は若手の、新進気鋭のフランス人エノロジストだ。現在メイエル氏はドメーヌ・ルイ・ボバルのブドウ栽培から醸造までを任されている。

彼の経歴は、フランスのワイン銘醸地で磨かれた。シャンパーニュ、アルザスでワイン造りに携わり、そしてルイ・フィリップ・ボバル氏に請われてスイスにやってきた。

ド メーヌ・ルイ・ボバルはユネスコ世界遺産に指定されているラヴォーに位置するワイナリーだ。ラヴォーワインはスイスで一番の名声を得ている。その中にあっ て、ドメーヌ・ルイ・ボバルは少し異色な存在と評されている。スイスワインの中心ともいえる、伝統あるこのラヴォーにおいて、敢えて伝統を打ち破るワイン 造りに力を注いでいる。

そ の一つが、シャスラワイン(白)の樽熟成。ラヴォー地区の主要ブドウ品種であるシャスラは、通常はフルーティに仕上げるため、樽熟成を行わないか、大樽に 入れて熟成を行う。よって、ラヴォーのワインには、樽熟成独特のブーケ、シガレットやチョコレート、ヴァニラ、蜂蜜といったものを連想するブーケを持つこ とはない。

ドメーヌ・ルイ・ボバルは自身の育てるシャスラが十分に樽熟成に耐えられる力強さを秘めていると確信して、敢えてこの樽熟成シャスラワインに挑戦してきた。そしてフランス人エノロジスト、フィリップ・メイエル氏はこの樽熟成シャスラワインを見事に開花させた。

メ イエル氏の着目は、マロラクティック発酵の調整だった。マロラクティック発酵とは、アルコール発酵を終えて、ちょうど春先に貯蔵槽の中で始まる二次発酵の 事で、ワインに含まれる酒石酸が酪酸に分解される。これによって、ワインの酸味が和らぐとともに、ヨーグルトに似たブーケが生まれ、ワインのフルーティさ がより強調されていく。

伝統的なラヴォーのシャスラワインは、このマロラクティック発酵を行わせる。それによって、ラヴォーワインはとてもフルーティで心地よいワインとなる。口に含むと酒肉の厚さが踊るように伝わって来る。

一 方でマロラクティック発酵はワインの酸味を削る役割も果たす。これを嫌うワインの作り方もある。例えばドイツの甘口白ワインだ。甘口に作られるワインは、 十分な酸味がないと切れ味が悪くなり、味のバランスを崩してしまう。よって、ドイツの甘口白ワインではマロラクティック発酵を行わせない。

ス イスのシャスラはアルプス地方特有の石灰質の土壌で力強さを発揮するブドウ品種なのだが、石灰質の土壌はブドウの酸味を削ぐ性質を持つ。よって、スイスの シャスラワインは概して酸味が少ない。その上に、マロラクティック発酵を行わせると、さらにそれが削がれ極めて酸味の少ないワインとなる。この酸味の少な さは、ワインの味わいを軽めにするきらいがある。

イ タリアワインなどは概して酸味が強く、こうしたワインを飲みなれている人にとって、スイスのシャスラワインは物足りなさを感じやすい。一方で、日本酒のよ うに酸味の少ないお酒を飲みなれている人にとっては、極めて受け入れやすいワインとなる。ワインは酸っぱくて苦手、という人にはうってつけのワインだ。

シャスラワインほど和食との相性のよいワインはない。日本酒がお刺身との相性がいいように、スイスのシャスラワンもお刺身と相性がいい。日本酒が和食の中で一貫して飲まれるオールマイティなお酒の様に、スイスのシャスラワインも和食とオールマイティに相性がいい。

しかし、例えばスイスのシャスラワインと洋食との関係になると微妙になる。やはり、酸味の少なさが、バターやクリームなどの脂分を洗い落とす力に欠けるからだ。洋食に合わせるワインとなると、シャスラワインでも、もっと酸味のあるものが必要になる。

メ イエル氏は、スイスワインももっと(ヨーロッパの)食事に調和するワインとなるべきと考え、シャスラワインの持つ酸味を引き出す醸造法に力を注いだ。そし て伝統的に行われるマロラクティック発酵の見直しを行ったのだ。フレッシュでまろやかな味わいを生むマロラクティック発酵を調節して、フレッシュさを保ち つつ、シャスラブドウの持つ酸味を引き出す醸造に注力した。

もちろん、ブドウ栽培においてもシャスラブドウの酸味を引き出す調整を行っている。こうして酸味とのバランスを保ったシャスラワインは、樽熟成にも耐えられる重さと力強さを持ち合わせることが出来る。

メイエル氏の造るシャスラワインは、樽熟成に耐えるだけでなく、見事にそれと調和し、優雅なものに仕上がっている。それは従来のスイスのシャスラワインになかったものと言っていい。シャスラワインの伝統の殻を打ち破って、新たなシャスラワインの地平を広げた。

メ イエル氏によれば、こうした努力はアルザスでの経験が役に立っているという。アルザスではシャスラを含めて多様なブドウが栽培されている。また、食事に合 わせるワインとしての味づくりに力が注がれている。加えて、マルセル・ダイス氏といった伝統の殻を打ち破ったワイン造りの流れもある。

メ イエル氏の造る秀逸ワインはシャスラだけに止まらない。ピノ・ノワールにおいてもその良さが十分に発揮されている。ここら辺は、シャンパーニュ地方での修 業が発揮されているのかもしれない。ピノ・ノワールだけの赤もエレガントに仕上がっているが、ピノ・ノワールとメルロー、シラーのアッサンブラージュは力 強さも加わって、大変秀逸なものになっている。

ドメーヌ・ルイ・ボバルは今のラヴォーにあって、一番の注目ワイナリーといえる。私のおすすめのシャスラは、
Ilex Cuvée spéciale 2010, Calamin Grand Cru

ドメーヌ・ルイ・ボバルのホームページ
http://www.domainebovard.com/en/the_estate.php

 











(写真はフィリップ・メイエル氏、2012 Arvinisにて)

2011 Selection Japan2011年選抜写真「日本」スライドショー

2011年に日本に一時帰国した際に撮った写真を選抜してスライドショーにしました。

http://swiss.wonderful.to/slideshow/2011select-japan100/index.html

よりどうぞ。

阿蘇、鹿児島、熊本、京都、白河、群馬、飛行機から一部シベリアなどをセレクトしています。今回の一時帰国では京都が印象的で、京都の写真が多くなっています。特に嵯峨野辺りはいいですね。また歩きに行きたいです。