2011/06/26

手打ち蕎麦は一旦やめて、手打ちラーメンにする

手打ち蕎麦を一旦やめる理由は、日本から送られてくる石臼の製粉機を待って、本格石臼引き蕎麦として出したいから。色々な事情があって、8月中旬にスイスに着く予定なので、その間蕎麦はやめることにした。一応蕎麦の丸抜きを持っていて、今までコーヒーミルで製粉していた。これはこれで結構いけるのだが、いかんせん製粉能力が小さすぎる。代替案としてスイスで製粉されたそば粉を使おうとしたのだが、やはり蕎麦向きな粉はなかった。スイスで入手できる蕎麦の実(丸抜き)、特にヨーロッパ産のものは素晴らしい。なのでこれと石臼製粉機のコンビネーションを待つしかない。

手打ち蕎麦をやめると手打ちうどんだけとなって、メニューが寂しくなる。そこで、いやいやなのだが、手打ちラーメンを作る事にした。何故嫌か、ラーメン打つの大変だから・・・。苦笑

麺職人の私としては一番打ちたい麺の順が、蕎麦、うどん、ラーメン。ラーメン最下位。ラーメン打つのに微妙な技術は要らない、力勝負だ。ラーメンの麺の旨さは、要するに肉体労働の対価。そこへ行くと、蕎麦は技術の妙が活きる。まぁ、職人の自己満足に過ぎないという批判を承知の上で、蕎麦打ちの妙は、芸術的な域にあるのだっ!

うどん打ちは蕎麦程の妙がないけれど、これほど粉の個性が試される麺はない。うどんの場合は、打つ前にうどん粉のブレンドが芸術的な域にあると、・・・またこれも、その、自己満足ああたらこうたら・・・。笑

しかし、手打ちうどん屋に行って、どんな粉のブレンド使ってますか?と聞いてみるがいい。絶対に答えないだろう(お店が既にブレンドしたものを買っている場合は別だが、・・・その場合は単に商品名が返って来る)。これが企業秘密なのだ。

ラーメンはカンスイの添加物が入るから、どうしても麺打ちの妙というものが薄い。それにラーメンの妙は、麺よりスープだ。

麺料理の中で、蕎麦、うどんは麺が主役の座にある。つゆも無論大切だが、麺がしっかりしていなくてはならない。しかし、ラーメンの場合は、機械打ちの麺だって受けるのだ、スープがしっかりしていれば。日本の有名ラーメン屋だって、麺は機械打ちの所が多い。

私みたいな、麺にこだわるタイプの人間には、どうしても蕎麦・・・なんだよねぇぇぇ。
でも、一応経営者のはしくれとしては、自己満足の世界より実利も選ばないと、なかなか苦しい実情もある。という検討の結果、ラーメンを打つことにした。涙

私が単なる雇われだったら、絶対にこの選択肢はなかったはずだが・・・。

でも、ちょっとこだわって、ラーメンは特製味噌ラーメンだけにしようと思っている。だいたいうどんとラーメンの区別もスイス人には無理だろう。そこで、うどんは麺が太くて醤油味、ラーメンは麺が細くて味噌味、という個性を設定してやっていくつもり。スタッフとのコンセンサスも取れたし、来週にはスタートできる。

この特製には二つの意味がある、一つは手打ちであること、もう一つはオリジナルな味噌ダレ、しかも脂分は植物性のみを求めるという健康志向で決めて見た。体にもいいラーメン、それくらいしないと手打ち蕎麦の妙には近づけないし。

No comments:

Post a Comment