登り標高差が約930mなのに、下り標高差が約1400mもあるという、ちょっとずるいサイクリングコースではあるが、とにかく930mは登らなければならない、健脚向きのコースではある。10月の標高2000m近い峠は寒かった。頂上付近では雪渓を横切る。吐く息が白い。足先も冷えた。
グリンデルワルドからグロス・シャイデックまでは約12キロ。途中平坦部を考慮に入れると、登りの平均勾配は10%以上になる。恐らく、10%から14%の勾配だったろう。この930mの登りを2時間で走れたのは、おやじチャリダーとしてはまぁまぁの成績かに思える・・・が、かつての脚力を以てすれば、1時間20分から1時間半のアプローチだったろう。衰えは隠し得ない。
グリンデルワルド出発時に、初老のサイクリスト夫妻を見かけた。グリンデルワルドから少し走った所で、ジャケットを脱ぐために小休止していたら、この夫妻に抜かれた。再び走り始め、彼らを追い越すとき、グロス・シャイデックに行くのかと訊ねたら、そうだと答えた。同じ峠を目指していたのだ。初老のサイクリストにとっては、少々きついコースの様に思えた。
ところが、グロス・シャイデックに着いてみたら、約10分後にはこの初老サイクリスト夫妻が到着した。おやじチャリダーの脚力は、標高差930mのコースで、初老のサイクリストより10分早い程度のものだったのだ・・・、愕然。それにしても、スイス・サイクリストはすごい。初老の女性でも、平気で標高2000m近い峠を登り切る。しかも、彼らは宿泊しながらゴッタルド峠(2108m)も越える予定だと話してくれた。
彼らは私の目標に思えた。私も生涯現役サイクリストでいたい。それもアルプス越えのツーリングをこなせるような。
グロス・シャイデックの下りでは、沢山のサイクリストとすれ違った。その中には、白髪のサイクリストも沢山いた。スイス人の体力には驚く。彼らにとって年齢なんて関係ない。挑戦すべきものに挑戦するのみなのだ。全く見習うべき人々ではないだろうか。
ブリエンツ湖畔の20キロほどのコースは、全くルンルンのサイクリングコースだ。とても楽しい気分で巡航していると、中年女性とおぼしきロードレーサーの一団に追い抜かれた。この中年女性のロードレーサーというのも驚きだ。スイス人女性はパワフルだ。好奇心半分で、その後ろをついて走ってみる。スピードは時速35キロから40キロくらいのものだった。意外に軽いギアを踏んでいて、回転数でスピードを稼いでいた。スイスはどこでもアップ・ダウンがあるので、重いギアで惰性に頼るよりも、軽いギアで常に坂道に対応し、一定速度を維持した方が合理的なのだと思った。
実際に、彼らのギア比に近い所で後ろにくっついていると、重いギアでいるよりははるかに楽だった。自分の筋力なりを考慮すると、今後は軽めのギア比で、回転数を上げてスピードを維持していく方向がいいのだろうと思った。今回、ロードレーサーの後を追って勉強になった。
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