2011/03/31

第2の正念場を迎えた福島原発事故という記事

第2の正念場を迎えた福島原発事故
2011年3月31日  田中 宇

http://tanakanews.com/110331japan.htm

この人の記事は、普通かなり裏読みをするものなのだが、今回はかなり直球。
原発事故は第一の正念場を越え、第二の正念場に入っているという。

氏は最後にこうしめくくっている。「まだまだ難題がいくつもあるが、一つずつ乗り越えていくしかない。政府や東電を批判するのでなく、節電しつつ、おつかれさまですと言って応援したい。 」

そうね、批判しっぱなしで状況が良くなるかというと、それもないと思う。評価も大切。枝野官房長官大活躍だった。それに一生懸命現場で働いている人は、本当におつかれさまです。節電も大切。節電はずっと大切にすべき。

一方で、別の記事にあったのだけれど、原発事故の後始末には3兆円くらいかかるだろうとのこと。想像がつかない巨額な損害を目の前にして、ただただうなだれるしかないんでしょうか・・・。批判や監視があるから、東電も政府も隠蔽が出来ない、というのも事実だと思う。

第一の正念場、すなわち世界の恐れた連鎖的な破局は乗り越えている、というのは朗報。

安心をふりまく御用学者の弊害

福島県飯館村の放射性物質がIAEAの避難基準を上回ったと発表。

IAEAの避難基準上回る放射性物質、福島の飯館村で(CNN)
http://www.cnn.co.jp/world/30002310.html

静岡新聞の記事では、IAEAの避難基準の2倍にもなっている。
グリーンピースの指摘では、長期的にみた場合、がんを発病する恐れがあるという。

この飯館村の例の場合、この村にある御用学者がやって来て、健康には問題がないから大丈夫だと、安心をふりまいて帰って行ったという。

こういう御用学者は、将来実際にがんになった人にどう責任を取るつもりなのだろう。

原子力関連でお金をもらう人達、こういう人達は安全を強調したがる。政府は賠償金やら補償金の計算で頭がいっぱいになる。問題が隠蔽されていく。しかし、今回ばかりは隠蔽出来ないでしょう。外国から日本を見つめる目は厳しい。東電と日本メディアの中国旅行で癒着なんてのもあるし、外国メディアには、がんばってもらいたいところだ。

ある所に流れていた、どうやら放射線の専門家らしい方のご発言

「ビニールハウスで栽培されるホウレンソウに放射性物質が付着するなんて、しんじられな〜い。もともとあったんじゃないの〜。牛乳から出たって不思議、もとからじゃないの〜。」だって。

農家の人が聞いたら激怒どころの話じゃないな。というか、はっきり言って専門家失格では?もし、これが放射線専門家のレベルだとしたら、恐ろしい。東電会長の危機意識にも唖然としたが、そもそも危機意識が存在していない。

しめくくりに、「中国の野菜食べるより安全かと・・・」だと。

国際問題まで引き起こしている。苦笑

福島第1原発:設計に弱さ GE元技術者が指摘(備忘録として)

福島第1原発:設計に弱さ GE元技術者が指摘(毎日新聞)

http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110330k0000e030026000c.htm

 【ロサンゼルス吉富裕倫】東京電力福島第1原発と同型の原子炉を設計した米ゼネラル・エレクトリック(GE)社の元技術者、デール・ブライデンバーさん(79)が毎日新聞の取材に応じ、原子炉格納容器について「設計に特有の脆弱(ぜいじゃく)さがあった」と指摘し、開発後に社内で強度を巡る議論があったことを明らかにした。

 東電によると、福島第1原発はGEが60年代に開発した「マーク1」と呼ばれる沸騰水型軽水炉を6基中5基使っている。
 
 ◇議論封印「売れなくなる」

 GEでマーク1の安全性を再評価する責任者だったブライデンバーさんは75年ごろ、炉内から冷却水が失われると圧力に耐えられる設計ではないことを知り、操業中の同型炉を停止させる是非の議論を始めた。

 当時、マーク1は米国で16基、福島第1原発を含め約10基が米国外で稼働中。上司は「(電力会社に)操業を続けさせなければGEの原子炉は売れなくなる」と議論を封印。ブライデンバーさんは76年、約24年間勤めたGEを退職した。

 ブライデンバーさんは退職直後、原子炉格納容器の上部が小さく、下部と結合する構造が脆弱で万一の事故の際には危険であることを米議会で証言。マーク1の設計上の問題は、米原子力規制委員会の専門家も指摘し、GEは弁を取り付けて原子炉内の減圧を可能にし、格納容器を下から支える構造物の強度も改善。GEによると、福島第1原発にも反映された。

 しかし福島第1原発の原子炉損傷の可能性が伝えられる今、ブライデンバーさんは「補強しても基本設計は同じ。水素爆発などで生じた力に耐えられる強度がなかった」とみる。また「東京電力が違法に安全を見落としたのではない」としながらも、「電気設備の一部を原子炉格納容器の地下に置くなど、複数の重大なミスも重なった」と分析した。

 ブライデンバーさんはGE退職後、カリフォルニア州政府に安全対策について助言する原発コンサルタントとして約20年間働き、現在は引退している。

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圧力容器の下は100本以上にも及ぶ配管だらけ、要するに弱い穴だらけ。これでは漏れる。

福島第1原発:沸騰水型の構造裏目に
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110331k0000m040158000c.html

しかも元GEの技術者によれば、GEの原子炉はそもそもが水素爆発に耐えられる強度がなかった。加えて、もともと構造的に弱点を抱えるこの炉の下に電気設備の一部を置くなど、複数の重大なミスが重なっている。

一方で、小さい穴だらけの所から、ちょろりちょろりと漏れ出る為に、重大な水蒸気爆発を結果的に防いでいるとも指摘がある(福島第1原発:沸騰水型の構造裏目に)。不幸中の幸いか。憶測にすぎないが、水蒸気爆発の危険性はかなり遠のいたと思う。あとは冷却を早めて、放射能漏れを防ぐ。

原子力は安全だ、と宣伝するがために、より一層の安全処置が出来なくなっていたとも聞く。より一層の安全処置をすれば、もともとの設備が不安全、あるいは不完全なものとの批判を浴びる恐れがあるからだ。

完全な装置など作れないし、機械はいずれ壊れる。腐食もするし、プラントはこうしたリスクにメンテナンスしながら対応して行く。ところが、より安全に向かう為のメンテナンスが出来ていなかった、ということだろう。

ふざけた東電会長記者会見、事故の過小評価と責任逃れ、私は怒っています!

http://www.jiji.com/jc/v4?id=20110330tepco0001

勝俣会長「福島第1原発については、1〜4号機につき、一応の安定を見ることができました。ただ、最終冷却はできていない状況にあります。皆様のご協力を得ながら、事態の収束に向け、全力を挙げて取り組んでいるところであります。」

私 「どこが安定なのか?水漏れは防げていないし、1号機では未だ煙が出ている。政府は予断を許さないと言っていないか? この非常識的な過小評価を、堂々と記者会見でご開陳出来る神経が信じられない。」

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110330/dst11033016060038-n2.htm

勝俣会長「このたびの事故は地震によるが、原子力損害については国の支援を頂きながら、原発賠償法に基づき、誠意をもって取り組む」

私 「以前から危険性が指摘されていたのに、あっさり地震のせいにしている。で事故の後始末といえば、結局は国頼みという無責任ぶり。国の支援ということは、税金を使うという事。私企業が、今の段階で国民の税金を使って原子炉損害を埋めますと言っている。こういうのを厚顔無恥というのではあるまいか。さらに、自社の損害拡大防止には余念がない。原発賠償法を盾に、賠償の上限を今の時点で宣言している。東電には賠償法以外の賠償に応じる姿勢はない。」

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110330/dst11033016080039-n1.htm

「 Q 今回の事故が発生したことや、事態収束が長引いていることについて、政府、東電含めて、オペレーションのまずさによる人災の側面があるが、どう受け止めているのか」

勝俣会長「はい。わたし自身はまずさというのは感じられませんでした。ただ、現場は電気が消えている。通信もできない状況で、いろいろ作業しなければならなかった。いろんな作業が予定より長くかかった。これまでボタン1つで動いたものが、手動でやらないといけない状況があって、意図せざる遅れがあったということかと思います」

私 「危機意識の完全なる欠如を暴露している。ボタンひとつで動かなかった場合、それは意図せざる遅れだそうだ。この人の欠落した危機意識からすれば、それはまずさというものを感じないで当然だろう。東電のトップは危機意識がない。トップがそうだったら、どうなるって、みえみえ。」

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110330/dst11033017340043-n2.htm

「Q 事故当時、マスコミを引き連れて、中国へ訪問旅行に行っていたのか。旅費は東電持ちか。避難所に職員を出しているといっているが、南相馬市には 東電から電話もないと聞くが」

勝俣会長「全額東電負担ではない。詳細はよく分からないが、たぶん、多めには出していると思う」
「南相馬にどうしているのか把握していない。ほとんどのところに社員を派遣している」

私 「何これ? おいおい、どこのマスコミだ??
南相馬把握していない。そうね、都合の悪い所は、把握していない、ですむんだ。」


http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110330/dst11033017340043-n3.htm

「Q なぜ1、3号機に建屋に穴を開けなかったのか」

武藤副社長「水素が建屋に入ると、水素は建屋の上にたまり、何らかの出来事で爆発し、破損した。5、6号機は建屋の上に穴を開けた。水素爆発であろうということは早い段階で推定したが、穴をあけるには道具の準備などが必要で遅れた。3号機についても結果としてそこまで手がつかなかった」

私 「水素爆発を想定する予防措置が全く成されていなかったという事。インパクトレンチ(コンクリートに穴をあける道具)と充電式電源装置もないのか?一般の大きな工場の保全課にもあるんでないの。いわゆる生産工場としての認識が全くない。東電、ボタンひとつで動いて、止まる。これだけ。あとは下請け任せなんだろうな。」

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110330/dst11033017580044-n1.htm

「Q イエスかノーで答えてほしい。被害に遭われた方には東電を潰しても補償を優先するのか」

勝俣会長「最大限のお詫びを補償も含めてしたいが、全体としては原子力損害賠償法の枠組みの中で考えていきたい」

私 「ほれほれ、最大限といっておきながら、しっかり枠組み、しかも国の税金を使った枠組みの中といっとる。質問は、東電としてだろう?自分がすっからかんになるつもりがあるのか?と聞いているのに、詭弁で言い逃れした。」

こんな記者会見で納得する国民がいたとすれば、はっきり言って、それは東電のポチか、余程のあほだ。

2011/03/30

今度はもんじゅだと・・・事故復旧現場の要が自殺・・・って、やばいっしょ。

『もんじゅ』課長自殺周辺の不審な巨額費用
http://news.livedoor.com/article/detail/5372597/

だいたい、事故復旧現場の要が自殺という事だけで、その事故が容易ならざる事態に陥っている事が、誰でもわかる。この記事で指摘されているのは、この要の課長が自殺した前後に、巨額の不審な費用が動いているという事。

わいろの類ではないのだが、事故修理の為の観察費、3億7千万円。観察に3億7千万円払います?観察ですよ、観察。みるだけ。ところで、これって税金使われているんだよねぇ。怒

やっぱり観察費用に3億7千万円ってのは不審だと。それで、このお金は実は他の事に使わるのだろうとの憶測が成り立つ。人には言えない深刻な問題がある。だったら、億の金が動いても不自然ではない。この課長はその深刻な問題を抱え込んで自殺したのではないかと。

うわっ、ミステリー。って、小説の話だったらいいけど、現実なのよね、現実。
しかし、核関係って億の金がぽんぽん動くねぇ。市場原理とかけ離れた世界なんだろな。

2011/03/29

福島(須賀川)の野菜農家が自殺 摂取制限指示に「もうだめだ」 これも原発事故の犠牲者

福島の野菜農家が自殺 摂取制限指示に「もうだめだ」
朝日新聞

http://www.asahi.com/national/update/0328/TKY201103280468.html

一部抜粋
福島県須賀川市で24日朝、野菜農家の男性(64)が自宅の敷地内で首をつり、自ら命を絶った。福島第一原発の事故の影響で、政府が一部の福島県産野菜について「摂取制限」の指示を出した翌日だった。震災の被害に落胆しながらも、育てたキャベツの出荷に意欲をみせていたという男性。遺族は「原発に殺された」と悔しさを募らせる。

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30年以上も前から有機栽培にこだわり、自作の腐葉土などで土壌改良を重ねていたという。自分の畑とその土に対する愛着はひとしおだったろう。また、この方は安全な野菜づくりを誇りにしていたという。原発の放射能汚染がその方の畑を襲い、出荷どころか食べる事も制限される事態になった。「福島の野菜はもうだめだ」と絶望した。今まで築き上げてきたものが、目の前で全て崩れ去っていく、土は汚され、野菜は価値を失った。目の前で腐らせるしかない。どんなにか無念だったろう。もう安全な野菜は作れない、それは30年もの間続くかも知れない。絶望が深まっていく。

遺族が言う様に、私も「原発に殺された」と思う。

須賀川はかつて私の住んだ白河からそんなに離れていない。ハーブ園などもあり、ちょくちょく遊びに行っていた。そんな須賀川で起きたのか、と思うと私にも相当なショックだ。友人の親戚が須賀川の結構近くで農業を営んでいる。本当に野菜やコメを出荷できるのだろうか、出荷出来たにしても風評被害で売れないのではないだろうか、と心配している。

今後何年も放射能汚染の影響で直接的に、あるいは間接的に死ぬ人が出るだろう。一体その数はいくつになるのだろうか。日本は数奇な国だ、世界で唯一の原爆被害国として沢山の死者を出した、ビキニ環礁の水爆実験でも巻き添えを食って死者を出した、そして三度目の正直、己が国の原子力平和利用ですら、事故を起こし死者を出している。核を嫌いつつ、累々と核による屍を重ねている。

誰かの発言ではないけれど、天罰、という言葉が頭をよぎる。いや、これは人災なのだ。だからこの様な自然を尊ぶ者が理不尽にも犠牲となる。

大本営発表の後は、やはり連合軍が来るか・・・いよいよ原発事故末期

さんざ安心だ、問題ない、直ちに健康の問題はない、などと大本営発表が鳴り響いたが、いよいよ米仏の連合軍のおでましだ。

東電、仏に支援要請 原発事故受け
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032801001029.html

「深刻な状態」と米委員長 NRC、福島事故で来日
http://www.47news.jp/47topics/e/202860.php

ストロンチウム90も計測すべきでは?

ストロンチウム90は人間の骨に蓄積する非常に危険な放射性物質。ところが一向にその数値が公表されない。一時は存在していないと思っていたけれど、プルトニウムがそうであった様に計測していないのではないか。

核燃料自体も一部が溶けたか NHKニュース 3月29日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110329/t10014959121000.html

原子力安全委員会は、2号機原子炉の水が一時的になくなり、原子炉が8時間から9時間にわたって空だきの状態となったため、炉内の温度が2500度から2600度の高温となり、ペレット状の核燃料が溶け出したものとみている。

とすると、ストロンチウム90も気化し、放出された可能性が高い。ストロンチウムの沸点は1382度。

2011/03/28

土壌汚染「チェルノブイリ強制移住」以上 京大助教試算 どこいく原発難民!

土壌汚染「チェルノブイリ強制移住」以上 京大助教試算
京都新聞

http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20110328000068

 東京電力福島第1原発の事故で、高濃度の放射性物質が土壌などから確認された福島県飯館村の汚染レベルが、チェルノブイリ原発事故による強制移住レベルを超えているとの試算を、京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子炉工学)がまとめた。

 飯館村は原発から北西約40キロ。今中助教は、原発の状況が分からず被災地各自の事情もあるとした上で「避難を考えた方がいいレベルの汚染。ヨウ素やセシウム以外の放射性物質も調べる必要がある」として、飯館村で土壌汚染を調査する方針だ。

 文部科学省の調査で20日に採取した土壌から放射性のヨウ素1キログラム当たり117万ベクレル、セシウム16万3千ベクレル、雑草からヨウ素254万ベクレル、セシウム265万ベクレルが確認された。土壌中のセシウムは通常の1600倍以上だった。

 今中助教は、土壌のセシウムで汚染の程度を評価した。汚染土を表面2センチの土と仮定すると1平方メートル当たり326万ベクレルで、1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故で強制移住対象とした148万ベクレルの2倍超、90年にベラルーシが決めた移住対象レベルの55万5千ベクレルの約6倍だった。

 今中助教は「国は原発周辺の放射性物質を詳細に調べて分析し、ただちにデータを公開すべきだ」と話している。セシウムは半減期がヨウ素(8日)と比べ30年と長く、汚染の長期化が懸念されている。

【 2011年03月28日 15時52分 】

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京大の独自の調査らしい。これで複数の機関の測定値がいずれも高い値で、強制移住という最悪の手段を含めた対策が必要になっている事が判明した。原発難民はもう故郷に戻れないのだろうか。ふつふつと怒りがこみ上げる。何十年も立ち入り禁止となる地域が日本に出来るなんて!

原発難民を短期間に受け入れることは各市町村も考えているだろうが、戻る当てがなくなったとき、どこに行けばいいのだろう。家も土地も財産も奪われた人達。そして故郷の再興さえ許されない人達。

SPEEDIという放射能予測システムは正しい数値を示していたのだろう。以上に高い数値で戸惑いを覚えたのだろうが、この土壌の高い数値と呼応している。SPEEDIの数値は1度きり公表されただけだ。これも併せ、東日本各地の詳細な調査と、そのデータ公開が望まれる。

何だ?高度な軍事機密とは??原発内部の映像

原発内部の映像を公開へ 米無人偵察機「グローバルホーク」が撮影
2011.3.26 01:30
MSN 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110326/plc11032601310000-n1.htm

(一部抜粋)
 政府は25日、米軍無人偵察機グローバルホークが東京電力福島第1原子力発電所の内部を上空から撮影した映像を公開する方針を固めた。米軍提供の映像の公開には慎重論もあったが、正確な情報の発信を優先すべきだとの判断に傾いた。米側も公開によって日米協力をアピールするとともに米国民に向けても原発の状況について情報を公開するねらいもあるとみられる。

 高度な軍事機密に属するため、解像度を下げて公表することも検討している。

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これ読んだ時、さもありなんと思って、そのまますらりと読み流していたのだが・・・。

そもそもグローバルホークの撮影したものは、防衛省ではなく経産省へ送られているはず。しかも、公式にはアメリカ政府は公表を認めており、これの公表はひとえに経産省の判断のはず。無論官邸も絡んでいるだろう。

ということは、原発内部の映像を、経産省か官邸が「高度な軍事機密」と判断した訳だ。原発とは核の平和利用ではなかったか? どこらへんが高度な軍事機密なのか、原発はそもそも軍事機密なのか、防衛省は絡んでいないのか、高濃縮ウランがあるのか、原発の軍事転用の意図や事実があったのか、などと疑問がふつふつとわいてきた。

3号機はプルサーマルで、核燃料の一部にプルトニウムが使われている。これはウランよりやっかいもの。にも関わらず、東電にはプルトニウムの検査機器がなかったらしい。現在外部機関に分析依頼中だとか。原発付近ですらこんな状況では周辺の土壌検査など手がつかないだろうな。ストロンチウム90も気がかり。

http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032701000730.html

備忘録:大津波、2年前に危険指摘 東電、想定に入れず被災

大津波、2年前に危険指摘 東電、想定に入れず被災
2011.3.26 22:42
MSN 産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110326/dst11032622450093-n1.htm

 東日本大震災で大津波が直撃した東京電力福島第1原発(福島県)をめぐり、2009年の審議会で、平安時代の869年に起きた貞観津波の痕跡を調査した研究者が、同原発を大津波が襲う危険性を指摘していたことが26日、分かった。

 東電側は「十分な情報がない」として地震想定の引き上げに難色を示し、設計上は耐震性に余裕があると主張。津波想定は先送りされ、地震想定も変更されなかった。この時点で非常用電源など設備を改修していれば原発事故は防げた可能性があり、東電の主張を是認した国の姿勢も厳しく問われそうだ。

 危険性を指摘した独立行政法人「産業技術総合研究所」の岡村行信活断層・地震研究センター長は「原発の安全性は十分な余裕を持つべきだ。不確定な部分は考慮しないという姿勢はおかしい」としている。

東日本で今年、田植えは出来るのか?

4月に入れば、田植えの季節ともなる。

しかし、相次ぐ野菜の出荷規制などを見ていると、これから盛んになる農作業への影響が心配だ。今、出荷規制が行われている野菜は、露地物といわれるものではなく、ハウス栽培もの。要するに、ビニールとかガラスで放射性物質から保護されていたはずの野菜だ。

ところが、そのハウスものですら、基準値を越えて出荷停止に追い込まれた。では、露地物はどうなるのだろう。全く保護されるものなどなく、お天道様の下で生育する農産物。毎日、放射性物質を浴びることになる。また、土壌にも今までの分も含めて、相当数の放射性物質が堆積しているだろう。

土壌が汚染されていたら、野菜などと併せて田植えにも深刻な影響を及ぼすだろう。米を作ったにしても出荷できない。わかっていて田植えをするだろうか。それに、放射能を含む米なんて、農家自身だって食べたくない。

関東から東北にかけて東日本の広い地域で田植えが出来ない、そんな事態を懸念している。

漁業も心配だ。これからプランクトンが沢山発生し、魚が成長してくる。ビキニ環礁の水爆実験では、放射能汚染された「水爆マグロ」が問題になった。

怪文書「19兆円の請求書−止まらない核燃料サイクル−」 マスコミは黙殺とか

19兆円の請求書−止まらない核燃料サイクル−

http://kakujoho.net/rokkasho/19chou040317.pdf

いやぁ、これは止まって欲しいわぁ。

「やめられない止まらない」だって、かっぱえびせんのCMみたいだ。

19兆円は、是非東日本大震災への復興に!

原子力政策の分かれ道
http://www.taro.org/2011/03/post-964.php
によれば

この怪文書は経産省内部で世論に訴えるために作られたという。そしてマスコミは黙殺。

河野氏の指摘に同意。
「電気は必要だから原子力発電に文句を言うな、再生可能エネルギーなんてコストは高いし不安定だからダメに決まっている、といった乱暴な声は少なくなっていくだろう。もう一度、徹底的な日本の原子力政策の見直しのための議論が必要だ。」

氏の様に、今の原子力政策に疑問の声をあげる政治家がどんどん増えてもらいたい。

私の意見

日本の原発は厳しく見直されるべき、火力で代替え出来るのであれば、当面火力代替えを優先すべき。
http://norisann.blogspot.com/2011/03/blog-post_6077.html

火力発電所は半分も稼働していない。火力発電所が復旧すれば、電力需要は賄える。
火力発電所がどんな大爆発を起こしても、野菜が食べられなくなったり、水が飲めなくなったりはしない。

原発導入のシナリオ 〜冷戦下の対日原子力戦略〜 読売新聞と日テレがこんなにまで原発導入に絡んでいたとは!

原発導入のシナリオ 〜冷戦下の対日原子力戦略〜

http://video.google.com/videoplay?docid=-584388328765617134&hl=ja#


1994年に報道されたNHKドキュメンタリー

エネルギー資源のない日本。原子力はその救いとなる。一方アメリカは、ソ連との核競争のため、表では原子力の平和利用を訴えながら、その裏ではアメリカに味方する核の壁を各国に築こうとしていた。

読売新聞社社主、正力松太郎氏はアメリカの意を受けて、原発導入への報道キャンペーンを行う。これには読売新聞社と日本テレビ放送網が積極的な役割を果たした。正力氏は官邸とも深いつながりがあり、アメリカは正力氏を通して日本の原発導入計画を進めた。

正力氏はその後衆議院議員に当選し、政権内部に入り、初代の科学技術庁長官などとなって原発導入に尽力した。氏は原発の父と言われている。

NHKもなかなか鋭いドキュメンタリーを作っているのだが、最近の報道は何か「大本営発表の御用報道機関」になっている感がなくもない。

読売新聞や日テレが、原発に不利な報道をするはずもない、というのがこのドキュメンタリーからわかる。

今日から夏時間

毎度のことながら、突然夕暮れ時が8時頃になる。
夕食がなにか、昼食時の様にも感じてしまう。

2011/03/26

こんな新聞記事を見つけた「日本の原発奴隷」

調査報告/原子力発電所における秘密
日本の原発奴隷
エル・ムンド[EL MUNDO:スペインの新聞 ]2003.6.8

http://www.jca.apc.org/mihama/rosai/elmundo030608.htm

原発に反対するNGOが紹介している。

原発を進めたい人は、被害を過小評価しており、政府は都合の悪い事実を隠蔽する。原発をやめさせたい人は、被害の深刻さと最悪の可能性を強調する。

色々な事件で明らかな様に、国策を覆す様な事態が起きた場合、当然政府報道は政府に都合のいいものに歪曲される。いわゆる大本営発表だ。

しかし、ネットの発達によって、表には出ない色々な事実が顔を出して来ている。通常政府とそのポチであるマスコミに隠蔽されるか歪曲される不都合な事実がネットを駆け巡る。

自分自身が生き残るため、こうした不都合な事実を知ることはとても大切だ。

原発奴隷、原発ジプシー。こうなって死んだ人は、今の状況を冷ややかな目で見ているんだろうな、あの世で。

2011/03/25

ベクレルと汚染の影響の関係がわからない、誰か知っている人教えて

http://www.asahi.com/national/update/0324/TKY201103240234.html
雑草からも高濃度セシウム 福島・汚染土壌の近く

文部科学省は24日、雑草や海水などの放射能汚染の測定結果を発表した。前日までに福島県飯舘村の土1キロからセシウム137が16万3千ベクレル(放射能の単位)が検出されたが、近くの雑草の葉から、約8倍の値にあたる124万ベクレルが検出された。

野菜とかの摂取制限基準がヨウ素で2000ベクレル/kg、セシウムで500ベクレル/kg
http://www.yomiuri.co.jp/zoom/20110320-OYT9I00732.htm


で、雑草の葉から、124万ベクレルが検出されたというのだが、こんな環境にいて大丈夫なんですかね?
しかも、セシウムって半減期が30年もあるんでしたよね。飯館町って、原発から30キロ以上離れた所にある町なんですよね。これあまり宜しくない状況の様にも思えるのですが、どうなんでしょう?

空中の放射性物質の量についてはこんなのがある
http://www.yomiuri.co.jp/zoom/20110320-OYT9I00608.htm

例えば、群馬県では空中に1平方キロ単位、放射性ヨウ素が230メガベクレル、セシウムが84メガベクレルあると政府から報告されている。日本語の数値で表したら、それぞれ2億3千万ベクレル、8千4百万ベクレル。

なんか、すごい高そうな値なんだけど、もともとベクレルという単位はすごい桁になるらしいとWikiにあった。その割には摂取制限基準はかなり低い数値に設定されている様にも見える。水1kgが大人で300ベクレル(ヨウ素)、200ベクレル(セシウム)。

頭が混乱している。ベクレルの値と汚染の影響の関係がわからない。例えば、空中にどれだけ放射能(ベクレル値)があっても大丈夫なのだろうか。知っている人がいたら、教えて欲しい。

あまりに高い数値が飛び交っているので、もう判断不能。

原発30キロ圏外、子供の被ばく量「問題なし」は朗報

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110325-OYT1T00447.htm

原発30キロ圏外、子供の被ばく量「問題なし」(読売新聞)

この被ばく検査が行われた川俣町は、先日公表されたSPEEDIの試算値の分布図からみて、被曝が遠くまで及びやすい地域の、外縁に当たる。この町といわき市が被曝されやすい一番遠い地域。

その地域で、子供の被ばく量が問題ないレベルだったというのは朗報だと思う。今後もっと検査地区を増やして、定期的に監視して欲しい。

SPEEDIの試算値
http://www.nsc.go.jp/info/110323_top_siryo.pdf

放射性物質付着した食品、食べてしまったら?(備忘録として)

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110320-OYT1T00486.htm?from=nwla

放射性物質付着した食品、食べてしまったら?(読売新聞)

Q 付着した食品を摂取するとどうなる?

 A 放射性物質が、食べ物や水から口に入ると、体内にとどまって放射線を出し続ける。今回検出された放射性ヨウ素131は8日たつと放射線の量が半分に、16日後には4分の1としだいに減り、土壌には長く残らない。放射性セシウム137は、放射線の量が半分になるのに30年かかり、土壌に長くとどまって農産物に影響を与える。ただし、体内に入っても多くは排出される。

 Q 暫定規制値にはどういう意味がある?

 A 笠井篤・元日本原子力研究所研究室長によると、放射性物質を含む牛乳や乳製品を1日1リットル、水を1日2リットル、葉もの野菜を1日100グラムなどについて、それぞれすべてを1年間毎日摂取し続けた時に、発がんなど健康に害が出る放射線量を計算したものだ。仮に1回、規制値の100倍程度の放射性物質を誤って摂取してしまったとしても、身体的な影響は表れるものではない。だからと言って、規制値を超えるものを食べて良いというわけではない。

 Q 放射性物質はどうやって付着した?

 A 学習院大学の村松康行教授(放射化学)によると、放射性ヨウ素と放射性セシウムは風で運ばれ、ホウレンソウなど葉の大きいものほど付きやすい。キャベツは、外側には付くが中には入りにくい。野菜は水でよく洗えば、ある程度は濃度が薄まる。キャベツなどは外側の葉を取ってから水洗いするといい。

 放射性物質は土の表層にとどまりやすく、短期的には大根などの根菜類への影響は少ない。原乳からの検出は、乳牛が餌や飲み水から摂取した可能性がある。

 Q 今回の検査はどうやって行われたのか?

 A 米、野菜、牛乳、魚介類など、自治体ごとに主要産品を中心に調べる。茨城県の場合、原発に比較的近い県北部や出荷量が多い地域を選んで検査を行った。

 厚生労働省は、野菜について、口に入れる前の状態に近づけるため洗ってから検査するよう求めている。

 Q 子どもへの影響は?

 A 子どもは大人より放射線の影響を受けやすい。鈴木元・国際医療福祉大教授によると、大人では体内に入ったヨウ素の約7%が甲状腺にたまるが、残りは24時間以内に排出される。一方、子どもは約20%が甲状腺にたまってしまう。

 ただし、規制値は子どもが摂取を続けても問題がない結果を基に作られている。

 ◆ベクレル=放射性物質がどの程度放射線を出すかを示す単位。物質の種類によって、身体への影響は違う。たとえば、300?の放射性ヨウ素131の入った食物1キロ・グラムを食べた時の人体への影響は、0・0066ミリ・シーベルト、500?の放射性セシウム137の入った食物1キロ・グラムを食べた時は0・0065ミリ・シーベルト被曝したことになる。
(2011年3月20日23時18分 読売新聞)

掲載写真
http://www.yomiuri.co.jp/zoom/20110320-OYT9I00732.htm
http://www.yomiuri.co.jp/zoom/20110320-OYT9I00608.htm

2011/03/24

放射線と放射性物質の概念を混同して国民の不安をメディアは煽らないで欲しい(備忘録として)

http://www.tomabechi.jp/archives/51239062.html
放射線と放射性物質の概念を混同して国民の不安をメディアは煽らないで欲しい
苫米地英人

なかなかわかりやすい記事だった。氏の主張を私が理解した範囲で要約すると、原発からの放射線の漏えいと、放射性物質の拡散は区別して考えるべきということ。

1.放射線の影響

原発からの放射線の漏えいは高い値だけれど、発生源の炉から距離を得れば確実に被曝を防げる。これは現在の退避圏外にいれば大丈夫との指摘。

2.放射性物質の影響

放射性物質の拡散はチリに付着して行われるので、風向き等によって遠くまで運ばれる。しかし、チリなどに付着した物質から放出される放射線の量は限られているので、放射性物質が肌に付着、あるいは体内に取り込まれない限りは問題ない。

今放出されている放射性物質は、11日(13日前)で停止した以前の核分裂によって生成されたもので、それ以降は生成されていない。よって、放射性物質の総量は生成後の崩壊によって減少の一途をたどっている。今後再臨界という事故がない限り、放射性物質は減少して行く。

現在主にチリに付着して放出されているのは、ヨウ素131(沸点184.25℃)、セシウム134、セシウム137(沸点641度)。これらの放射性物質は沸点が低いため、今回の炉心溶融などの損害で気化し、これがチリに付着している。

ヨウ素はかなり大量に放出されると思われるが、セシウムは沸点の温度からしてすぐに固体化するのであまり放出されていない。測定地でもセシウムは基準値を超えるものの低い値を示している。

ストロンチウム90は再臨界が起こらない限り問題にならない。(問題となっていない、因みに沸点は1382℃)

こうした事を考慮すると、放射性物質の拡散については、現状の推移で原子炉周辺以外において問題とはなりにくい。仮にヨウ素の検出値が基準を越えても、半減期が短いため、短期間で基準値を下回る。(別の所では、氏は基準値を超えた野菜であっても、流通を通って食卓に上る頃には基準値を下回ると指摘)しかし再臨界があった場合、50km圏内の土壌と農作物や魚介類のストロンチウム90汚染が問題となる。

氏の総括

放射能という概念を一人歩きさせて、放射性物質という概念と一緒にして、国民に不必要な不安を与えているテレビメディアの罪は大きい。数字だけは、マイクロシーベルトとかミリシーベルトとかと意味がありそうに比較する。だが、原発付近での直接被曝と、大気中放射性物質による間接被曝は全く違う。

−−−−−−

政府が公表している放射線、放射性物質の測定値からすると、氏の主張は正しい様に思われる。これも押さえておきたい情報だろう。水や食べ物の放射能汚染でパニックを起こさない為にも。少なくとも自分が風評被害の種にならない様に注意したい。

原子力安全・保安院の問題体質 経産省「植民地」、そして「東電の虜」(備忘録として)

http://www.j-cast.com/2011/03/24091192.html?p=1

高橋洋一の民主党ウォッチ
原子力安全・保安院の問題体質 経産省「植民地」、そして「東電の虜」

ネットの記事は数週間で削除されるので、備忘録として一部コピペ

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この原子力安全・保安院はこれまであまり知られていない行政組織だ。原子力安全・保安院は原子力等のエネルギーに係る安全及び産業保安の確保を図るための機関。原発などの安全確保のために厳正な監督を行うことになっている。経産省の外局で、有り体に言えば植民地だ。

ここで、東電との関係が気にかかる。東電は独占企業だから、ライバル企業との競争はない。監督するのは政府=原子力安全・保安院だけで、政府さえ丸め込めば、恐いモノなしだ。実際、東電は歴代経産幹部の天下りを受け入れており、11年1月には原子力安全・保安院の上部組織である経産省資源エネルギー庁の前長官だった石田徹氏が、退官後わずか4か月で顧問に天下っている。そうした天下りの見返りとして政府は厳しい監督をせず、安全基準も今となっては甘かったことが明らかになった。

このように、規制する側が規制される側に取り込まれて、規制が規制される側に都合よく歪曲されるメカニズムを「Regulatory Capture」(規制の虜)という。東電の虜になった政府は、国民に対して「由(よ)らしむべし、知らしむべからず」の姿勢で原子力行政を行い、今回そのツケが最悪の形で回ってきたのだ。

(略)

安全・保安院トップは百貨店担当していた文系事務官

特に、規制サイドに専門知識がない場合には、簡単に虜になってしまう。原子力安全・保安院の現院長である寺坂信昭氏は、エネ庁勤務の経験もあるが、同院入りの前職が経産省商務流通審議官であり、三越や伊勢丹などの百貨店担当をしていた文系事務官だ。とても、原子力関係の専門知識があるとはいえない。ちなみに、件のスポークスマンも通商関係が比較的長い文系事務官だ。

欧米では、原子力の安全管理は、専門家集団によって構成された独立した機関で行っている。その観点からいえば、原子力保安検査官など技術系職員もいるとはいえ、専門知識が乏しい経産省原子力安全・保安院が説明するのに違和感があるのだろう。そのため、情報公開が少ないという批判になっていると思われる。

もっとも、情報公開するにも専門知識が必要なので、原子力安全・保安院では無理なのかしれない。それくらい、東電の虜になってしまったともいえる。むしろ虜側に知恵があると東電にとっては不都合なのだ。

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経産省と電力独占企業・東電との癒着、そして専門知識の乏しい監督省庁「原子力安全・保安院」か・・・・。

日本に飛べない

4月後半に日本に帰国する予定で、飛行機のチケットの予約をしようとした。
旅行会社に電話で話をしたら、スイスから直行便はなく、確実に運行しているのは今の所JALとANAだけだそうだ。ヨーロッパの航空会社はどこも原発事故の悲観的ニュースに恐れをなしてか、クルーが日本に飛びたがらないという。

ヨーロッパ線は成田に着くため、もろ福島上空を飛ぶから、さらに恐れをなすのだろう。実は、私も少し嫌だ、それ。

例えばスイス国際航空、今香港経由で成田まで飛んでいるが、状況によっては成田まで飛ばず、関空まで。最悪の場合、香港から先がキャンセルされる事もありうるとの事。香港は論外にしても、関空で降ろされても・・・・・。

今日本ヨーロッパ間で格安のスカンジナビア航空も飛んでいないという話だった。しかし、今日の成田空港の国際線発着状況を見ていると、スカンジナビアは飛び始めたよう。
http://www.narita-airport.jp/jp/flight/today.html

このフライト状況は当日になってみないと確定できないという不安定なものだという。原発の具合によっては、日本に辿りつかない可能性がある。関空にまで行ける可能性は高いが、飛行機代に新幹線代が加算される。

こういうときは、日本の航空会社の方が頼りになる。しかし、ちと高い。調べてもらったら、スカンジナビアが往復960フラン(激安!約8万6千円)だったのに、JALは1660フラン(約14万9千円)。700フラン(6万3千円)もの差がある。

フライトがキャンセルになると、それ自体大問題だが、なんとチケット代は戻るけれど、旅行会社の発券手数料は戻らないのだそうだ。4月の日本への旅行はほとんどキャンセルされており、飛行機はガラ隙になるはずと言っていたので、飛べばますチケットが取れない事はないらしい。

そこで、発券手数料が無駄にならない様に、チケットの手配は先送りにする事にした。日本帰国、未だ定まらず・・・。

「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の試算について」をみて

http://www.nsc.go.jp/info/110323_top_siryo.pdf
緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の試算について」

河野太郎さんがブログで指摘した即日に公表された。
気になる数値、この内部被ばく臓器等等価線量というのは、いわゆる試算値だから必ずしも正確な科学的単位の放射線量ではない、というのは理解できる。しかし、これに国家予算をつぎ込んでこうした試算をするのだから、相当な科学的根拠があるもの、とも理解される。評価では精度を高めるためにさらなるモニタリング結果の充実が必要とある。

で、図中の線量等値線は3月12日から24日までの積算値ということ、この12日間ずっと外にいたら浴びるだろう放射線量で、屋内にいたらこの線量の25%から10%の線量を浴びている事が推定される。

この等値線量はいきなり100ミリシーベルトという高い数値からなっている。この100ミリシーベルトという数値は、この線量を浴びると健康に明らかな影響がでるという数値だ。等値線のレベル3は明らかな症状が出始める線量。よってこの等値線は、すなわち直ちに健康被害が懸念される範囲を示しているものと考えられる。

本来の安全意識でいうならば、直ちに退去命令だろう。

この等値線が示す事実は、地形や風向き等により一定の偏向性があって、第一原発より北東及び、南から南西にかかる地域に被曝の危険性が長距離に分散するということ。そして、該当地域はざっとみても、50から60キロ以内となる。

すなわち、この地域だけを見ると、既に現在設定されている退避勧告地域の約3倍が設定されなければならないということだ。

政府は20日に風向きが変わってやっとこさこのシステムが使えるようになったと言っている。その追及は後回しにしても、何らかの対応が必要ではないか。

なお、この基準は医学的な根拠によるとされている。しかし、原子力安全委員会が定める方針では、50ミリシーベルトで避難の指示を出し、10ミリシーベルト以上の場合屋内退避の指示を出すという事になっている。なのに、この図では10ミリシーベルトまでの等値線は示されていない。

2011/03/23

何で隠す必要があるのか Part2

Part1はこれ
http://norisann.blogspot.com/2011/03/blog-post_9633.html

結局公開されなかったし、メディアも突っ込まない。
まぁ、原子力発電所内部、特に原子炉の周りは企業秘密、というのもあって、東電や東芝、日立なんかも難色を示しただろう。もっと勘ぐれば、事故機の原子炉にはアメリカGE社のものがある。だから、米国政府も原則的には公開を承認しつつ、ウラ文書では非公開推奨、なんてなっていたかも知れない。

で、Part2

野党となってしまった自民党の河野議員が指摘している。
http://www.taro.org/2011/03/post-957.php

「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)というシステムがある。緊急事態が発生した際に、気象観測情報、アメダス情報と放出核種、放出量等の情報を入れることにより、六時間先までの希ガスによる外部被曝線量や甲状腺等価線量などをシミュレーションすることができる。」

「事故発生後から、この情報の開示を自民党の対策本部として政府に求めてきたが、全く開示されない。」

------以上引用-----

名前がいいね、スピーディ。有用だからこういうのを作ったはずだろうが・・・・名前負けして、全然スピーディじゃない。

こういうのを隠すと、やっぱ怪しい、と国民どころか、世界中が日本に不信感を持つのでは?

河野氏と政府の電話やりとりには漫才かと思ったくだりがあった。

河野氏「原発の緊急事態のSPEEDI(スピーディ)に関する情報の担当部署をお願いします」
文科省「原発に関する情報はスピーディにお出しするようにしています」

スイス大統領が、東日本大震災に関する哀悼・お見舞い記帳に署名

一国の元首がわざわざ日本大使館に赴き記帳された。嬉しい事だと思う。
なお、法的にはスイス大統領は国家元首ではないらしい。そもそも連邦政府の権力が限られているから、かなりの面で名誉職といった位置づけになっているようだ。

とはいっても、大統領は大統領。その名誉ある方が、わざわざ日本大使館にお出でになり、記帳に署名された。で、何でそれを知ったかというと、私もその時日本大使館に行って記帳していたから(募金とかそのくらいし出来ないものね)。偶然にも時間が重なった訳。

普通大統領のお出ましとなれば、交通規制がかかり、ものものしい警備となるのが常識だろう。ところが当の日本大使館でさえ、門に警備員一人で、しかも大統領お出迎えの為、門が全開という素晴らしいム・警戒ぶりだった。

そんな所にのこのこ現れた私も、顔見知りの警備員のお兄さんと握手をしただけで、チェックなしですんなり記帳会場に入れた。それで係の人に、もしかしたらすぐにスイス大統領がみえられるので、その時は記帳を待ってほしいと告げられ、初めてその事を知ったのだ。

スイス大統領に遭遇したのは2回目。初回はジュネーブのエスカラーデという祭のとき。パレードの先頭でにこやかに歩いていた。超無防備。中立国の大統領はこんなにも安全なのかと感心した位。だから、日本大使館で、門番一人もかなり頷ける。

スイス大統領は、普通に道を歩き、電車に乗っているとも聞く。だいたいスイス人は自分の国の大統領が誰かも知らない人が多い。毎年変わるし、国民による大統領選挙などもないから、おのずと知名度が低い。最近日本も毎年首相が代わっているので、スイスに近付いて来ている気もする。民主的なのかも、それが・・・。

なお、この記帳は明日、日本時間では今日まで。

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【東北地方太平洋沖地震に関連する記帳の受付】
 3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震・津波で犠牲となられた方への哀悼及び被災された方へのお見舞いのため、当館では、次の日程で皆様から記帳を受け付けることといたしますので、御案内いたいします。

日時: 3月17日(木)、18日(金)、22日(火)、23日(水)の4日間
(注:3月21日(月)は休館日ですのでご注意ください。)
受付時間: 10:00〜12:00及び14:00〜16:00
場所: 在スイス日本国大使館
Engestrasse 53, 3012 Bern
Tel: 031 300 2222
(注:来館時には、身分を証明できる書類(パスポート、免許証等)をご持参ください。)

2011/03/22

専門家の一意見「楽観はできないがチェルノブイリ級の破滅的事象はない見込み」

JMMのメールマガジンで編集長の村上龍氏が、多くの人に読んでもらいたいと推奨している専門家の意見。著者は環境エネルギー政策研究所所長 飯田哲也氏
http://www.isep.or.jp/images/press/script110320.pdf

私も、現状が維持されるなら、破滅的事象は食い止められると思う。私が一番心配していたのは、溶融燃料による水蒸気爆発、それによる周辺複数炉への損害による原子炉破壊の連鎖だったけれど、これも食い止められるだろうと思う。

まずは放水活動が確保されており、例えメルトダウンが起きたにしても、部分的な損傷に止まるだろうと推測される事。であれば、飯田氏のレポートにあるとおり、最悪でも再臨界による爆発的事象は起こりにくい。

現時点で外部電力は確保されており、損壊した機器を交換する事により、復旧作業は順次進められる。これは時間の問題であって、数か月を要すかも知れないが、冷温停止の道筋が開かれている。

アメリカやロシアの専門家の判断でも、破壊的な事象は避けられたとの認識にある。

ECCS復旧の朗報が待ち遠しい。

予断は許れないのだが、希望は持ちたい。
それにしても、放射能汚染が与える農産物や海産物の被害を考えると、この時期に事故が起きたというのがせめてもの救いだ。農繁期だったり、イワシやサンマなどの漁獲の最盛期だったりしていたら、考えただけでも恐ろしい。

在外邦人は日本国外でのほほんとしている訳ではない事も触れておきたい。今回の震災では皆一様に心を痛めている。スイスでは募金をするだけでなく、町に出て募金活動を行っている人も沢山いる。スイス大使館では、震災犠牲者の方々への哀悼、被災された方々への励ましの為の記帳を行っている。

9.11のテロ事件になぞらえて、この大震災を3.11と表現する記事も見受けられるが、9.11は世界的な対立、殺戮の契機となった。それは世界が暗い方向へ落ちて行く象徴的な惨事だった。3.11は9.11とは比較にならない犠牲者数と何十兆円もの被害を出している。世界各国にある原発の安全性にも警鐘を鳴らした。しかも現時点では把握できていない惨状がまだまだある。

しかし3.11で世界に報道されたのは、そうした未曾有の悲劇的な災難の中で、人々が自助の精神と忍耐を持ってそれを乗り越えようとする姿だ。絶望的な光景の前で、これから復興して行くんだという希望だ。小さい国の国家予算にも匹敵する義援金が寄せられている。世界中から救助が来た。助け合いは国境の垣根を越えた。

3.11は世界が明るい方向へ行く事も可能だという象徴になると考えたい。日本は今、その模範を努力と忍耐によって示そうとしているのだと思う。

2011/03/21

日本のトップは現場に行くべき。それを阻む者は保身目的でしかない。トップこそが現場を鼓舞出来る。

菅総理が現場の応援をしようとすると、どうやら官僚や官僚に鼻薬を効かされた政治家が待ったをかけるらしい。
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210321012.html

現場は誰が来てもかまわないのだ、今必死に作業をしているのだから。それを邪魔しない様にお膳立てが出来れば、首相が来ようとかまったものじゃない。その首相がパフォーマンスでも、消防用のホースを握って放水の手伝いをしたらいい。現場は大歓迎だろう。俺達作業員と同じ、地道でしかも苦しくて、そして泥にまみれる作業をしていると。

ところがだ、何が首相が行くと迷惑をかけるだ。そうやって、首相を権威の象徴に祭り上げているだけではないか。権威の象徴に祭り上げて、その者を身動きできない状況にさせて、不都合が起きれば非難の材料にする。こいつらは所詮首相を自分の保身のための操り人形くらいにしか思っていない。

福島原発の事故が日本の危機であったならば、首相は現場に行くべきだ。反対勢力は批判するだろうが、一般国民は絶対にそうは思わない。だって、首相だって、一国民だろう。裸になったら区別のつかない人間だろう。国民の信頼を受けたこそ、総理になったのは間違いない。しかし、国民はだからと言って権威をふりかざして欲しいとはつゆほども思っていない。

首相は現場に行くべきだ。そして、恐らく官僚であろう側近の制止もなど完全に無視して、作業員を励まし、その作業を手伝うだけのふりでもいい、そうしたパフォーマンスを見せて欲しい。それが本当の鼓舞につながるだろう。しかも、その仕事はトップにしか出来ない。東電の社長はその気もないらしい。であれば、首相がやって欲しい。

玉音放送もいいかも知れないが、この期になったなれば、陛下ご自身が、例え御忍びでも現場に行って手を差し伸べる、それが必要なのではあるまいか。それが不可能なことは想像に難くないが、であれば陛下の意思を継ぐという形でもかまわないから、日本の指導者がそうするべきなのだ。

中世の為政者たちは、自らが剣を取り、困難の先頭に立っている。これは単に前時代的だったという理由ではない。それがリーダーシップというものだったからだ。リーダーシップの取れない者は、いつまでもその地位に止まる事は出来ない。

現場作業員は単なるトカゲのしっぽではない。家族もあれば、自分の身も可愛い。そんな一庶民であって、そして同じ血を流した人間だ。東電は自社の保身のため、地域住民を無視する事を続けてきた。彼らにとって社の存続が一番重要なのだ。それはこの資本主義社会にとって非難できない事なんだろうと思う。

しかし、国民の命を守るべき政府は違った使命があるはずだ。人の命は皆同じという視線に立った、そして社会を守っていく使命だ。これは東電には出来ない。もちろん専門知識を持った専門家にも出来ない尊い使命だ。

技術者のはしくれである私は、専門家はその分野では自尊心もあるし、譲れない主張もするだろうと想像できる。この石頭連中を統率するのは並大抵ではないとも思う。しかし、技術者はその誇りにかけて嘘は主張しない。そして誇りを持つ者ほどきちっと倫理観を持っており、それを逸脱できない。科学的に立証できない事象には決して賛同出来ないのだ。それをしたら、自分は科学者でもなく技術者でもなくなってしまうから。

菅首相も理系出身なら、その自負を持っている事だろう。自分も科学を修習した者の一人として。であれば、、己が科学的根拠を基にして、現場に赴き、現場を鼓舞する。これこそが最良の対応だ。

官僚が文系の塊だとは言わないけれど、保身に走るあまり民主主義を無視した権威構造をでっち上げ、それを盾に自分だけいい思いをしようとしたならば、私は絶対にそれに賛同は出来ない。

2011/03/20

ヨーロッパの不安、リビア。影響としては大

リビアを多国籍軍が空爆している。
フランスと、英国と、アメリカの連合とリビアのカダフィ—政権側との衝突だ。連合軍は国連安保理のお墨付きをもらっている。これに対して中国は遺憾表明を出すものの静観。ロシアも同じところだろう。カダフィ—の擁護者は今の所見る限りベネゼエラ。ここの大統領は口が機関銃だ。でも口以外が動くようにも思えない。

私にはカダフィ—政権と反政府組織、どちらが正しいのかわからない。カダフィ—に対抗する部族勢力は以前からあったし、リビアも色々と複雑らしい。欧米が力でカダフィ—を抑えつけて、その後どうなるのか。イラクの様な混乱の二の舞になるのではないだろうか、などの危惧もある。

今回の空爆では、アメリカは表に出ない様に努力しているという。アメリカの戦闘機は参加していない。イラクで疲弊している米軍は、当初この空爆に抵抗を示していたという。もう余力もないし、これ以上の反米感情を巻き起こすのは得策ではない。

私個人的には、このカダフィ—という人は好きになれない。カリスマ性はあるんだろうが、性格が粗暴だ。エジプトの故サダト氏は頭のてっぺんから足の爪の先まで狂った男、とカダフィ—を評している。彼の5男ハンニバル氏もヨーロッパ各所で暴力沙汰を引き起こし、ジュネーブでは逮捕された。この一件で、リビアとスイスは最悪の関係となっている。

カダフィ—氏は、スイスなど国ではない。分割してフランスやドイツに吸収されるべき、などと公言し、スイス製品の輸入、石油の輸出などを止めた。当然スイス人はカダフィ—やカダフィ—指導のリビアに否定的な感情を持っている。サダト氏同様、彼はクレイジー。(でも、もしかしたらこれは、世界の共通認識?)

日本に関しても、カダフィ—氏は好意を持っていないと目されている。アメリカの同盟国だからだ。カダフィ—氏の持つ世界地図には日本がないのだとか。カダフィ—氏については、以前にも触れている。
http://norisann.blogspot.com/2010/12/blog-post_2035.html

北アフリカの一国が何故これほどまでに注目を集めるかというと、リビアは世界的な産油国で、この国の石油供給は世界の石油価格に影響を与えるからだ。現に、今日の石油価格の高騰は、リビアの政情不安が主な原因といわれている。現在リビアの石油生産量は通常の3分の1となっているという報道もある。カダフィ—はこの石油カードで国際的な影響力を持ち、注目されるのだ。

リビアの石油拠点は現在反政府側が勢力下にあるベンガジ。ここを叩くとリビアの石油産業は壊滅的な被害を受ける。しかし、カダフィ—はそこを空爆するという。自分の国の根幹を反政府鎮圧の代償としてもかまわない、という狂人ぶりだ。これも国際社会がリビアに圧力をかけさせない為の脅しだが、反政府側にベンガジを取られても、石油を外交カードとしてしまうカダフィ—は、狂人ながらもとても頭がいい。天才と何とかは紙一重というが、彼にも当てはまりそうだ。

カダフィ—政権はEUにとっても頭痛の種。反政府組織の後ろにはEUがある。カダフィ—は見抜いている。今回の空爆はその後ろ盾があからさまに前に出てきたという訳だ。何故ならベンガジが制圧されたら、ヨーロッパへの石油供給が極めて不安定になるからだ。これはヨーロッパだけではないだろう。西側諸国の一員である日本にも影響がでる。

カダフィ—が徹底抗戦だと言いながら、リビア政府は停戦協定に応じるなどと言ってみたり、どうも政権内でも温度差があるようだが、カダフィ—が失脚しない限り、リビアの攻撃姿勢は止まないだろう。これは少々困った事だと思う。

カダフィ—は連合軍を第二の十字軍になぞらえ、徹底抗戦するという。テロも辞さない覚悟だ。すると、今後状況が悪化した場合、またはリビア政権側が窮地になればなるほど、ヨーロッパでのテロの可能性が増すということだ。またここの所のガソリン代の高騰も、さらに拍車がかかるとしたら、庶民の台所直撃どころの騒ぎではない。社会や経済全体が直撃を受ける。

中立国のスイスも例外ではない。今回ばかりは、リビア自体との二国間で軋轢を生じさせている。スイスはリビア人の入国を拒否したり、実質的な報復処置を取っているので、テロの対象にされる可能性がある。カダフィ—はそもそもスイスなど国とも思っていないだろうから、所詮は十字軍の属国の一つくらいの感覚でスイスをテロの標的にすることもあり得るだろう。

ここの所、反原発議論が沸騰しているが、原発がテロの標的に、などと考えると空恐ろしい。私の住むベルン州にも原発がある。(しかし、よくスイス連邦政府のおひざ元に原発を作ったものだ。東京に原発作るのと同じだろうに。)

スイス在住者としては、ちょっと影響が大。

菅首相の「撤退などあり得ない。覚悟を決めて下さい。撤退した時は、東電は100%潰れる」の叱責がなかったら・・・

菅直人首相が3月15日、東京電力へのいらだちを爆発させ、自ら東電本店に乗り込み、幹部社員らを前にして叱責。

「テレビで爆発が放映されているのに、官邸には1時間くらい連絡がなかった。一体どうなっているんだ」「あなたたちしかいないでしょう。撤退などありえない。覚悟を決めて下さい。撤退した時は、東電は100%つぶれます」

このニュースを読んで、胸のすく思いがした。よく言った菅総理、えらい。東電幹部は実に無責任。事件が収束したら厳しくその責任を追及してもらいたい。首相らしくない行動、とかの批判もあるらしいが、東電を怒鳴り散らせるなどは、癒着など無関係の菅さんだから出来た事。無責任な巨大企業を叱責、指導、総理としても素晴らしい業績だ。

読売新聞によれば、東電は福島第一の職員を一時退避させることの打診をしたらしい。しかし、計画性のない一時退避というのは、それはやっぱり撤退だ。責任逃避のなにものでもない。会社を揺るがす一大事だったら、普通の会社では、逆に社長すらが陣頭指揮を取って現場に入るだろう。

ところが、東電幹部のやっていたことは、保身。それだけ。

産経の記事を見ると、11日には菅首相は「まず、安全措置として10キロ圏内の住民らを避難させる。真水では足りないだろうから海水を使ってでも炉内を冷却させること」を東電に伝えた。

ところが東電は「そこまでの心配は要らない」。海水の注入には「炉が使い物にならなくなる」と激しく抵抗した。これは何か、住民の人命や災害防止より、自社の損害防止を優先した姿勢に他ならない。緊急炉心冷却装置ECCSがアウトとなれば、それは最後の砦を失っていることくらい、東電は承知の上だったはず。

東電という巨大企業は政治的にも大きな影響力を持っているし、現実に放射能漏れなどの事故が発生しない限り、公権力が私企業の干渉を行う事は法的にも無理。菅総理は忸怩たる思いで東電の「安全宣言」を受け入れたのであろう。

ところが、炉の損害を防ぎたいがために、海水の注入が遅れ、現場のミスも手伝って事態はどんどん悪化の一途をたどる。多分現場は何度も危機を訴えていたに違いない。自衛隊でも何でも助けに来てくれと。自分たちの能力を越えていると。

14日にはとうとう「手に負えなくなった」「社員を全員退避させたい」との打診。これは完全に東電の失態だ。しかも現場ではない、経営判断の失態だ。しかしここに至って対処のしようがない。東電としても、放射能が漏れてしまえば、そこに社員を留めておくことなど出来ない。法律的にも許されない。もし社員が事故死すれば大変な補償と行政処分が待っている。だから「全員退避」だ。

しかし、やることをやらず、保身ばかりで事故を悪化させておきながら、手に負えなくなったら社員の安全確保のため退避、現場放棄が許されるだろうか。菅総理が激怒するのも無理はない。「撤退した時は、東電は100%つぶれます」当たり前だ。

この叱責がなかったら、そのあとの福島50の英雄もなかったろう。何故なら、会社が退避命令を出していたから。今、捨て身で働いている福島第一原発の作業員に日本中が敬意を表しているのは、命をかけてまで、社会的責任を全うしているからだ。東電幹部はその逆だ、事故の初めから社会的責任から逃避している。

私は東電が偉いとは思わない。福島原発の作業員の多くは下請けや関連企業だろう。自分たちがやらなくちゃ、という気概で社会的責任を全うしようとしている人々だ。この人達が偉いのだ。無論その中には末端の東電社員も含まれているだろうが、東電が主体ではない。敢えていうなら「福島50」と当初呼ばれた人達だ。もう人数的には50人ではないけれど、福島50の人達、頑張って欲しい。私は応援している。

最後に東電は今や「倒電」とも揶揄されている。この事実を真摯に受け止めるべきだ。政府は巨大化し、保身にしか走らなくなった公益企業について、今後何らかの対処が必要だろう。

2011/03/19

静かなる略奪、これも現実。公開の是非で意見沸騰。

http://www.youtube.com/watch?v=018lyN_sztM

映像は略奪といえるのかと思うほど、のどか。でも略奪なのかなぁ。色々な見方が成立するのだろうと思う。
ただ、この悲惨な緊急の時期にこんな動画を載せるべきではない、という意見には賛同できない。表現に問題はあるかも知れないが、起こったのも事実。倉庫の荷主は明らかに被災者であり、被害者だ。

日本人を悪く表現している、という点で確かに愉快ではないけれど、これを規制してはいけない。無論、不愉快であるというコメントを残すのは自由だと思う。ショッキングな事だけに、賛否が分かれる。

私は、こんな静かな略奪、流石日本人と逆に賞賛に値すると思う。大体、被害に遭っている人がそこにいて、仕方ないかぁ、みたいに静かに見守っている。ちょっと変形した助け合いが成立している様にも思える。

ブログによっては、もっと凄惨な状況を伝えるものもある。盗みに入った泥棒に刺されて死んだとか、食べ物の奪い合いが始まっているとか、多分それも現実だと思う。ただ、窃盗や強盗は平時でも起こる。喧嘩も起こる。だから、そこらへんの所を間引いて考える必要もあるだろう。

震災を見守り心配する人達は、ネットにアクセスできるけれど、殆どの場合、被災地には入れない。被災地の人は、厳しい現状の中、生き抜くのが精一杯でネットどころではない。結局ネットを巡る色々なコメントは、それぞれに正当性を含めつつも、発信原の情報と何ら変わらないレベルにある、とも言えそう。無論、自分のコメントも含めて。

法的には、この映像に起きている事は罪に問われないらしい。
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一部報道で被災車のガソリンを抜き活用しているとのことでした。当然、被災車の所有者も分からず了解はないものと推測されます。しかしこれは非常事態である以上、法的な意味で泥棒ではありません。もちろん罪に問われることもありません。緊急避難と呼ばれるもので正当防衛と同様に違法性阻却事由とされておりやむを得ないことなのです。今まさに差し迫った危難のある被災者の方々の為、法的な意味で以下例示します。

1食料の配給がなかったため、近くの閉店されているコンビニ・スーパーの窓を割って侵入し食料を確保した。

2飲料水の配給がなく、水道も寸断されていたため近くの自販機を破壊して飲料水を確保した。

3負傷者の搬送に必要なガソリンが確保されなかったため被災車のタンクからガソリンを抜いた。

これらの場合、仮に事態収拾後に警察に逮捕されても有罪となる可能性はまずありません。ただし、食料を買うために現金を盗む、平時や十分な食料・飲料水が確保されてるのに上記手段を取るのも犯罪です。

劇裏情報の東北地方太平洋沖地震特設ページから抜粋

日本への渡航制限必要なし(WHO)、おお、心強いお言葉

福島第1原発:日本への渡航制限「必要なし」 WHO
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110319k0000e030023000c.html

記事抜粋
【ジュネーブ伊藤智永】世界保健機関(WHO)は18日、福島第1原発の放射能漏れ事故に関連し、原発から半径30キロ圏内を除けば、現時点で東京都内を含め日本への渡航を制限する必要はないとの見解を公表した。東京からの「避難」や、日本から輸出された食品への「警戒」も不要だと指摘した。WHOはインターネットのホームページに「渡航制限勧告」とは反対の「渡航安全勧告」を掲載する予定だ。

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予断は許さないものの、WHOの報道は支持したい。いたずらな避難勧告はパニックを助長するだけだ。東京にいる外国人は緊急に避難する必要などなく、今後の報道を注意深く見守っていて欲しい。それに、この惨状で私も何らかの手助けをしたいと思っている外国人も多いと思う。

放射能汚染は、農産物、海産物ともに考えられるけれど、WHOが指摘している様に、これの輸出される可能性はないとみられる。なぜなら、被災地は壊滅状態で、食糧不足さえ陥っている。食料を輸入することはあっても、輸出することなど、どう考えてもあり得ない。

被災地から食糧持ち出して輸出するなんて輩が見つかろうものなら、袋叩きだ。

東京以西が来日場所であったなら、これからは是非とも遠慮しないでと言いたい。東北地方の復興の為にも、経済活動は重要だから。

また、日本食品は世界で、これからも安全です。どうぞ、日本食品を買って下さい。
(やっぱ、英語でこれ書くべきかな・・・)

いよいよ目に見える反撃態勢に入ったかっ 福島第一!

福島第1原発:1、2号機通電へ 5、6号機は冷却始まる
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110319k0000e040060000c.html

まず、5、6号機は冷却ポンプが稼働、冷却中。念のため、水素を逃がす穴を建屋天井に開ける。これで水素爆発の危険は回避。

4号機、とりあえず燃料は水没している。ただし、水位が下がった場合は外からの放水が必要。再度水素爆発の危険は建屋損壊の為ない。放水車は確保。(冷却ポンプの復旧が待たれる)

検査の為、運転停止中だった4〜6号機の危機的状態は、皮一枚で最悪の事態を回避出来、予断は許さないものの、峠は越えつつあると見られる。

1、2号機は通電に至った様だ。これから緊急炉心冷却装置(ECCS)の復旧が始まる。前日まで必死の放水作業が続けられおり、何とかメルトダウンによる水蒸気爆発を食い止めている。まずは2号機のECCSの復旧を望む。

5、6号機のポンプ稼働、建屋作業などを見ると、設計者と現場との連携が取れている様に思われる。ECCSの復旧は至難の業と思われるが、優秀なエンジニアの英知と誇りにかけてなんとかしてもらいたい。

19日は3号機に集中的に放水をしていた。電気を使うECCSの復旧工事に放水は禁物だから、3号機に集中したのだろうと思う。作業の連係プレーが見えてきた。

2号機のECCS復旧。この朗報を待つ! 1〜3号機のECCS復旧、これが峠だ。

何で隠す必要があるの?これだから日本政府、世界に不安を撒き散らす!

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110319ddm012040016000c.html
東日本大震災:福島第1原発事故 米軍無人機の映像、日本政府が公開に慎重

こういう隠蔽体質、未曾有の危機でも変わらないのね。
で、いつも対応が遅れるのよ。
で、政府の発表は「大本営発表」って思われちゃうのよ。

国民だって、覚悟が出来てるでしょ、この期に及んでは!
国民の英知を集めるのには、真摯な情報公開が必要でしょ!

放射線測定値について思う事

スイス関連のMLに流したものだけど、長々と書いたので、備忘録としてブログに転送。

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東北電力よりの福島第一原発への電源供給が19日にも開始されそうということ、大変期待しております。無論予断は許されないというのは承知の上です。

通常の常識では緊急炉心冷却システム(ECCS)が最後の砦、これがダウンしたらアウト。今は、所詮爆発を防ぐだけの緊急処置だけ、どうにかしてECCSを稼働させなければならない。それしか道がない訳で、その第一歩が震災8日目にして踏み出せようとしています。

電気がなければ、エンジニアは活躍出来ません。しかし、電気が得られれば、エンジニアの活動の場がやっと与えられるのです。日本を技術立国に押し上げたのは現場の力です。世界で最も優秀なエンジニアの出番がようやっと出て来ました。

鋼鉄は手では切れませんし、手ではモーターも回せません。しかも、原発で主に使われる金属であるステンレス鋼は、特に硬いんです。

世界に名だたる日本のエンジニアさん、期待しています。何とかECCSを動かして下さい。

で、本題。放射線の測定値について思う事。

放射線の強さを表す単位として、シーベルトというものがあるそうですが、これは物理的な量というよりは、人体に影響を及ぼす放射線の大きさの単位という意味合いがあるようです。

Wikiの定義によると、「シーベルト (Sievert) は、生体への被曝の大きさの単位。記号はSv。」この単位は一般的な生体への影響を示す事は確かですが、詳細に見るとこればかりを信じてはいけないとの警告もあります。

放射性物質は一つとは限らず、色々なものが生成されており、中には何十年もの間、放射線を出すものがあります。それが微量ながらも、体内の特定の場所に溜まると放射線量では捉えられない危険性があるそうです。

例えばストロンチウム90という放射性物質は、数十年に渡って微量ながらも放射線を出す。そして、この物質は骨に集まる傾向があり、骨髄がんや白血病を引き起こす可能性を秘めています。
http://jp.ibtimes.com/articles/16239/20110317/284011.htm

決して今、そこで測定されているシーベルトの値が微量であろうとも、このリスクは放射線漏れが続く以上消し去れない、とも言えると思います。

次に、ヘリコプターで放水がされた際に、原子炉上空90mの所の放射線量が測定されています。90ミリシーベルトに近い数値でした。ただし、単位が毎時です。

シーベルトというのは、単位がSI系だそうで、本当だったら時間軸は秒であるはずですが、公表値は時間軸だけ毎時や年であったりするので注意が必要です。

放射線の量は距離の二乗で弱まるそうですから、90m上空という事は8100分の一に弱まっていると単純に計算されます。それを逆計算すると、放射能漏れを起こしている源泉では毎時約700シーベルトにも及ぶ数値となります。因みに人が確実に死ぬ数値は6シーベルトです。これでは到底原子炉建屋に人は入れませんね。2秒弱で人はご臨終です。

敷地内の放射線値が上空の放射線値より低いのは、高温の蒸気あるいは上昇気流によって、放射性物質の多くが上空に飛ばされているからでしょう。
(で、どこにいってんのかな〜〜〜、海でしょうね、きっと)

人を秒刹する放射線量が原子炉から放出されている。しかも3基の原子炉から、というのが現実ではないかと思われます。

そういう現実は隠したいので、敢えて公表しないし、マスコミも政府のご威光には勝てず、そこまでは突っ込まない、というのが現状な様な気がします。

放射能漏れは現実であり、今後も相当量漏れ続ける。そして海に落ちれば海産物を汚染し、陸に落ちれば農産物を汚染する。物質によっては長期間にわたって放射線を出し続ける、一時点だけの放射線測定値はそのリスクに対してあまりにも無力です。汚染されたものを摂取すれば、内部被ばくを起こし、しかもその種類によっては特定部位に溜まり、微量でも危ない。

そういった認識は必要の様に思います。放射能ってのは、臭わないし、色もないし、味もしない、要するに人間の五感では感知出来ない所がやっかいですね。

脅かす意図はありません。シーベルト値の低さは、現時点での安全を保障するのも事実だと思います。ただ、様々な側面からの考察は必要だと思う次第です。

もうひとつ、首都圏の放射線量を地図で調べることの出来るサイト
http://www.j-cast.com/2011/03/18090608.html

実は原子力事故に対する、アメリカの国内避難計画はもっとひどいらしい。

もう、苦笑いしか出ない。

http://jp.wsj.com/World/node_202746

一部抜粋

 NRCの50マイル退避勧告については「憂慮する科学者同盟(UCS)」も批判しているが、別の理由からだ。UCSは、米国内での緊急避難計画の避難範囲基準が10マイルであるのに、どうして50マイル避難を勧告できるのかと疑問を呈した。
 UCSの原子力の専門家デービッド・ロックボーム氏は「米国で半径50マイル体制を敷いていないのをどう正当化するのか」とNRCを批判し、「われわれは長い間、緊急避難地域を拡大するよう提唱してきた」と語った。
−−−−−−−

世の中には目を疑いたくなるようなことばかりだ。

アメリカの基準で50マイル退避、すなわち80キロ以内からの退避を決めたとの説明だった。ところが、アメリカ国内では避難範囲が10マイル、すなわち16キロしかないんだそうだ。それが日本だったらアメリカ国内の、なんと5倍。

何これ?

別の見方をすると、原発事故による風評や自国民のパニックを抑えるためには、地域住民を犠牲にしてもいい、というのがどの国にも共通した原子力政策、なんだろうな。

まぁ、そんな批判は詭弁でかわされるだろうが・・・「日本の事故は想定外の災害が原因であって、アメリカでは日本の様な事故は起こり得ない」ってね。アメリカには飛行機が突っ込まれるという想定外の災害もあるだろうに。

2011/03/18

スイスでの日本の大震災と原発事故の印象

スイスに限らず、多くの在外日本人が、在住国の人から心配され、お見舞いを受けていると思う。私も多くの人から、日本や家族は大丈夫かと聞かれた。期待に反しては悪いだろうから、私は日本で起きた我が家に関する事を大げさに話している。母は動けなくなり、お店は散乱し、東北の友達とは連絡が取れない・・・(確かに事実なのだが)。

私自身は、東日本大震災で揺れを感じた事も、当然なかったし、まわりにいる人も大騒ぎとはならなかった。震災がスイスで報道されてから、まず妻の親類から電話がかかった。しかし、それは遠い出来ごとの様に感じもした。外は全くのどかだったし、人々は何事もなかったように暮らしていた。私が日本人だったから、ネットのライブ中継から目が離せなくなり、パソコンにかじりつき始めた。ただ、それだけ。

津波の映像はセンセーショナルだった。私はネットを通じても見ていたが、流石にテレビでの生映像は迫力が違った。あの映像はスイス人にとってもまた相当な衝撃だった様だ。インフェルノ(地獄)と表現した人もいた。(現実、そうだったと思う)

日本では地震と津波による被害は未だ続いており、二次災害も発生している。余震も収まらない。報告される犠牲者の数は日に日に増えて行く。凄惨だ。しかしスイスではこの人命の失われる惨劇より、福島第一原発の事故がクローズアップされている。不幸中の幸いというべきか、東日本大震災でスイス人犠牲者は出なかった。それも手伝ったかも知れない。

原発事故についてスイスでは、悲観的な報道も多くみられる。最悪と予想される事態、すなわち福島第一原発6基、第二原発4基とも制御不能となるという見方だ。これによって東日本は居住不能となってしまう。

昨日も妻がこの様なニュースに触れ、お前の親類をスイスに呼び寄せるべきだ。うちの方ではみんながそう言っている、と真顔で説得しだす。実際に彼女は、日本の母に電話もした。そもそも母は脊椎の圧迫骨折を起こしていて、動く事すらままならない状態なので、スイスなどに行けるはずもない。それに健康だったにせよ、恐らく日本に止まると言っただろう。

悲観的なニュースは視聴者受けがいいから、どうしても事態を誇大がちに報道してしまうのだろう。海外の報道は所詮対岸の火事を報じる様なものだ。センセーショナルな方が価値がある。それに帰る国のある人にとって、「日本から避難せよ」これが一番安全でもある。

この悲観的な報道には食傷気味だ。しかし、それを終わらせるためには、日本政府も正確に現状を伝える必要があるだろう。現実に起きて映像で伝えられている事と、政府から報道される事とにあまりの温度差があったなら、みんなが不安になる。それは正確ではないと判断するだろう。そこにデマも発生する。悪意に満ちたデマは危険ですらある。

原子炉のある建屋が爆発した映像を見たら、誰だって直感的に恐怖と非常に危険であることを知る。発電所の正門付近の放射線量だけ発表して、ただちに危険はない、などという説明ではあまりにもお粗末だ。

日本政府の報道は、国民をパニックに陥らせない配慮のもとに、事実を過小評価して、あるいは隠蔽を伴って行われている、とも受け止められる。そして国民はそれに不信感を持っている。

海外のメディアも、日本の対応を信じられないのではあるまいか。例えば、日本はまだ第一原発の半径20キロ以内が避難区域だが、アメリカはその4倍の80キロに設定して、自国民の避難を勧告している。この格差は何だろう。これにはおよそ3つの見方が考えられる。

・日本の避難基準がアメリカに比べて緩い
・アメリカ独自の調査によると、事態は日本の把握以上に深刻
・日本は意図的に事実を隠蔽し、地域住民を危険に晒している。

とにかく、IAEAの天野事務局長が要求したように、情報の把握と公開を質・量ともに上げてもらいたい。今のレベルでは、国民の不安は増す一方だし、海外での悲観的報道の度合いも強まって行くだろう。

恐いのは「地震、雷、火事、親父」じゃなくて、「地震、原発、デマ、津波」とも囁かれている。

世界の地震が一目でわかるサイト、印ばかりで日本が見えない・・・・・。涙

http://www.iris.edu/dms/seismon.htm

大地震あり過ぎで、赤丸印に隠され、日本見えない。涙
20分ごとに更新されているそうです。
Last 30 Days Earthquakesのボタンを押すと、11日以降日本ばっか。
地震のじゅうたん爆撃を受けている。

で、何?
「Earthquake Resources: Japan 」
日本が地震の源だというんかい。大涙
まあ、地震大国ではることは否定しようもない。

東京電力の大規模停電の危険性と、福島第一原発の事故とは関連性が薄いのでは?

確か記憶によると、1000万kw規模の電力不足が発生し、大規模停電が起きるとの説明だった。で、それがあたかも震災による原発事故が原因の様に受け止められている。

で、福島原発の認可出力をみてみると、第一と第二を合わせて911.6万kw。実際の利用率は平均82.6%、つうことは753万kw。これを見ると、電力不足は原発事故だけではない。で、もっと突っ込むと、福島第一原発の4号機から6号機は停止していた。それを引くと、認可出力で644.8万kw。それに利用率をかけると、532.6万kw。
http://www.jaif.or.jp/ja/nuclear_world/data/image/jp_npp-operation.jpg

あれれ、原発事故が原因による電力不足は半分ほどしかない。つぅことは、あとの半分は主に火力発電施設の損害によるものだ。

しかも、火力発電施設の稼働率は30%だとIEAが推計している。今の日本の電力需要は現状の火力発電施設でまかなえるはず。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20049520110315

どうなってんの?

推測するに火力発電所の損害が半端ではないということだ。こちらもしっかり対策を立てなくてはならない緊急の事態だろう。

また、東京電力情けなや、と思うのは、東北電力から電力支援を受けている事。実際の深刻な災害を受けたのは東北地方だ、にも関わらず、東北電力から電力支援???

東北地方から声が聞こえそうだ

なんだべ、おらたちがひでぇめにあっただに、あんで東京さ電力やんだべさ。それによ、福島さ壊したん、東京だべよ。

東北大震災の復興に要すると試算される約15兆円には、六ヶ所再処理工場(青森)の中止で浮く13兆円を充てるべし。

六ヶ所再処理工場
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AD%E3%83%B6%E6%89%80%E5%86%8D%E5%87%A6%E7%90%86%E5%B7%A5%E5%A0%B4

1993年から約2兆1,900億円の費用をかけて青森県上北郡六ヶ所村弥栄平地区に建設が進められている。現在試運転中である。2010年10月竣工予定だったが、2010年9月に最大で2年後まで竣工が延期されることが判明した。

この工場の建設予算は当初7000億円。もう3倍にもなっている。しかも、要するに完成のめどがない。ということは、さらに費用がかさむということ。で、完成しても稼働コストが13兆円かかる。ウランの価格は現在大変安くなっており、100年分の貯蔵量がある。わざわざプルトニウムによる発電に頼る必然性はもはやない。プルトニウムは原爆の材料で、IAEAは核査察の多くの予算を、日本のプルトニウム査察に使っているのだとな。

http://www.taro.org/2008/06/saishori1.php
河野太郎公式サイト 再処理工場の稼働に反対する1
2008年6月 9日 09:20

いらないよね、六ヶ所再処理工場。全然いらないよね。いまからでもこれを中止して、その中止で浮く13兆円を東北大震災の復興にあてるべし!

びっくりな文書を見つけた。チリ級津波が発生した際には機器冷却海水の取水が出来なくなることが、すでに明らかになっていた。(2007)

東京電力って評判はどうだったんだろうと、ネットで調べていた。風評は良かった。きっと、東電社員は自分の会社を愛している事だろう。これはいいことだと思う。こうした会社の良さが今回の復旧の東電社員等の決死の努力につながっているのかも知れない。

一方で、こんな文書も見つけた。

http://www.jcp-fukushima-pref.jp/seisaku/2007/20070724_02.html

文書は、日本共産党福島県議団のHPで公開されている。日付は2007年7月24日。
「福島原発10基の耐震安全性の総点検等を求める申し入れ」

びっくりな所は、申し出第4項、抜粋する。

福島原発はチリ級津波が発生した際には機器冷却海水の取水が出来なくなることが、すでに明らかになっている。これは原子炉が停止されても炉心に蓄積された核分裂生成物質による崩壊熱を除去する必要があり、この機器冷却系が働かなければ、最悪の場合、冷却材喪失による苛酷事故に至る危険がある。そのため私たちは、その対策を講じるように求めてきたが、東電はこれを拒否してきた。

−−−−−

2007年には大津波が来たら海水の取水が出来なくなる事が明らかになっていたのに、その対策を東電は拒否?
もし、チリ級津波に対する対策もされていなかったら、そもそもこの冷却機能喪失事故は人災になるのではないだろうか?
私の誤解であれば、それに越したことはないのだが、かなり気になる文書だ。

2011/03/17

計画停電に対して各国の反応 ジョークだそうで。

●アメリカ:停電の時刻に強盗が多発 ●中国:いつもの事なので気にしない ●フランス:恋人が愛を語る ●ドイツ:太陽電池等備えがある ●日本:国民の節電により需要予測を下回り停電回避、停電が実施されない事に国民激怒

これ、スイスのあるMLで転送されたものの転送です。

この美しき国スイス、見る限り電気いらなさそう・・・。テレビもあまり見ないし、夕食はパンとチーズとハムが定番だし(要するに調理は切るだけ)、停電になってもローソク一本で平気に過ごせるでしょう、スイス人。

何でこのタイミングで戦後最高の円高?弱みに付け込まれて食いものか・・・

http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011031701000047.html

金融業界ってのはえげつないね。弱った者をさらに痛めつけてまで、金を絞りとって行く。

被曝量、250ミリシーベルトまでは耐えられそうだ

 全身の急性被ばく時の人体への影響は、250mSv(250,000μSv)以下では臨床的な症状は出現せず、影響はない。
 また500mSvで白血球の一時的な現象が見られ、
 1000mSv以上で吐き気や全身倦怠感が見られると言われている。
 
緊急被ばくの事態への対応は冷静に
   ■ 西尾正道: (独) 国立病院機構 北海道がんセンター
            院長(放射線治療科)

とのこと、これから被曝が気になる方。この数値を覚えておくといいかも知れない。

2011/03/16

平成の玉音放送か・・・・堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ萬世ノ爲ニ太平ヲ開カムト欲スというフレーズを思い出す。

と言っても、終戦時の詔勅をその場で聞いた訳ではない。それでも、このフレーズはテレビなどで良く聞いた。天皇陛下の玉音放送が平成の世の今、復活した事に大変驚いた。東日本大震災、それほどの国難だということだ。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110316/t10014717841000.html

天皇陛下に対する思いは複雑なものがあるが、私はことさら天皇制の廃止を求める者ではない。歴史的な背景から、これの廃止を強行する事の必要性まで感じない、ということ。しかし、ことさら尊敬もしていない。普段はその存在を全く忘れている。正直、どうでもいいのだ。

現状では、日本は立憲君主制にカテゴライズされ、憲法が象徴だとか言っているけれど、天皇は君主に間違いない。しかし、他国と違うのは、この君主は長い歴史の中で、実権を持つことをほとんど許されておらず、単に祭り上げられているだけ。その為、天皇のやることは代々が神主の大親分だ。

その為か、天皇陛下の仁徳だけはものすごいものがある。日々、日本国と日本人の為に生活することを強いられている訳だから、この人は無私の象徴でもある。普通の人間がなかなか務まる地位ではないだろう。天皇家は歴史的に代々それを強いられ、DNA的にその責務をこなせる様に進化しているのかも知れない。

そんな風にシニカルに考えている私が、今回の玉音放送を聞いたら、何故か目頭が熱くなった。まずこれは、このお方の仁徳に帰するものと思う。このお方の仁徳は、恐らく日本国民の誰もに胸を打たす力があるのではないだろうか。確信があるのだが、多くの人が目頭を熱くしたと思う。

何の権限もない(世界からみれば)君主、(憲法上では)象徴ではあるけれど、天皇は日本の絆をきちっとまとめてくれる。そして強めてくれる。被災者はどれだけ励まされただろうか。救援に、復旧に疲弊した人々にどれだけの励ましを与えただろうか。私たちは、日本人としてこれからも助け合ってがんばっていこう、そんな気持ちを注入してくれた。日本の象徴として身を捨てて奉仕している天皇だからこそ出来た仕事ではないだろうか。

ひとえにこれは、天皇の無私の仁徳に他ならないと思う。平成の玉音放送を聞いた後の感想は、その無私の姿に少しく尊敬を覚えるようになったという事。

そんな心境の変化を経て、新たに終戦の詔勅を読んでみると、昭和天皇もなかなか無私の人だったんだなぁ、と感心した。もっとも、これを本人が作った訳ではないのだろうけれど、それでもそれを読むということは、全く同意しての事だろう。

http://homepage1.nifty.com/tukahara/manshu/syusensyousyo.htm

これを実際に聞いて、涙した人の気持ちが少しわかった。

日本の原発は厳しく見直されるべき、火力で代替え出来るのであれば、当面火力代替えを優先すべき。

日本では火力発電が30%しか稼働しておらず、原発がなくなっても火力発電でまかなえるらしい。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20049520110315

現在の東電による電力不足は、火力発電所も損害を受けたからだ。

福島第一原発は事態が収束したにしても、ここはお釈迦だ。最悪の場合、周囲何キロも含めて立ち入りさえ出来なくなる。そうなると損傷していない(はずの)第二原発も立ち入り禁止区画に入り、稼働不能となる可能性がある。

何よりも故郷と住む家を追われてしまう地域住民が悲劇だ。

またその場合、日本の電力はどうなるの?と心配していたが、それはないらしい。火力発電所は半分も稼働していない。

ただ、火力発電は二酸化炭素を排出するだろうから、地球温暖化に影響しそうだ。紹介サイトによれば、現在火力発電に使っている原油が36万バレル/日。原発をやめて全て火力に切り替えると、これに20万バレル/日が増える。確かに相当な二酸化炭素排出量になるだろう。

原発は、放射能は出しても二酸化炭素は出さない。石油依存は、中東の情勢など供給に不安定要素を抱える。カダフィ—が自分の国民を殺戮すると、日本の電気代が高くなる、といったとんでも因果関係がさらに強まる。

しかし、これだけの事故を目の当たりにして、原発の安全性について抜本的な見直しをしない、という訳にもいかないだろう。事故が起きて放射能が漏れてからでは手遅れだ。日本ではマグネチュード9かそれ以上の巨大地震がどこでも起こりうり、どこの海岸線でも10m以上の津波が襲う危険性を有している。平坦な海岸線でも、津波の複合干渉で巨大化する。

モノばかりではない、熟練技術者の育成と維持、緊急時に備えた人員配置の見直しなど、人の要素も見直されなければならない。様々な情報を見ると、現場では色々な不満が溜まっていた。

少なくともこの様な災害に耐えられない原発は早急に稼働を停止しなければならない。その検査は第3者機関を設けて、多岐に渡る専門家から構成されなければならない。官僚上がりや弁護士はいらない。そうした厳しい見直しがなされるべきで、その間の代替え電力は火力で賄われるべきだろう。

こうした厳しい措置は海外からの信頼回復にもつながると思う。今は、日本は大変厳しい安全基準を維持している国で、今回の事故はどうしようもなかった、という同情的な評価を受けているが、いずれ事故の詳細が明らかにされれば、人災的な側面や原発の構造的欠陥が明らかにされよう。新たなる批判が巻き起こる。日本の原発への不信も深まる。こうした批判や不信に応えていくためにも、厳しい措置が必要になるだろう。

最後に、福島第一発電所については、1日も早い事態の収束と、被害の最小限化を願わずにはいられない。極度に疲弊しているだろう現場作業員の無事も祈りたい。

スイスでも原発見直しか

スイス:原発の改修計画を一時中止−施設の安全確認を前倒し
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aA6PZMH.sjnQ

スイス環境省が電子メールで配布した資料によると、ベツナウとゲスゲン、ミューレベルクで新たな原子炉建設のために必要な法的手続きを停止し、既存施設の安全確認を前倒しすることにした。

日本の原発事故を受けて、自国の見直しにかかっている。
あるスイス人の友達は、スイスの原発の耐震安全性など日本の半分もないだろうから、心配だ。これから原発について慎重な意見が多くなるだろう、と言った。

しかし、スイスインフォというニュースサイトの投票では微妙な反応が見られる。
http://www.swissinfo.ch/eng/index.html

Should Switzerland end its reliance on nuclear power as a matter of priority?
Yes 32%
No 57%
In two minds 11%

超意訳「優先事項としてスイスは原発依存を終わらせるべきか」
はい 32%
いいえ 57%
どちらとも 11%

スイスの電力の原発依存は40%。現実的にこれを別の発電法に置きかえることは困難。現実的な選択ではない、といったところか。

静岡の地震、震源地もしかして富士山?これで富士山爆発したら洒落にならん

昨年の申告を済ませるために会計士の所に行った。結局一日がかりとなった。それだけ仕事量があったという訳ではなく、単に会計士が遠くの田舎に引っ越した為・・・。良くしてくれるので、毎年お願いしている。今日はなんとお昼までごちそうになってしまった。

帰って来たら、静岡で地震とな。震源地が静岡県東部となっていたが、あの地図の震源地を示すばってんに所在するのは富士山ではあるまいかっ!

第一、震度の一番強かった富士宮市はもろ富士山の麓だ。うぇぇぇ。これで富士山が活動を開始して爆発なんぞしたら洒落にならんっ。

スイス国際航空は日本への直通便を中止しているそうだ。だんだん日本に帰ろうにも帰れなくなっているのが怖い。

2011/03/15

おおっ、石原慎太郎!

相変わらずだね、この人。

今の、日本中が、あるいは在外邦人ですらこの惨状に胸を痛めて、みんな我慢して、なんとか復興しようと、協力し合おうと努力しているのに、日本人は「我欲」ですか。みんなは罪悪感の為に動いているんじゃないですよ、連帯や愛があるからです。

醜い政争を続ける政治家に、そら天罰だ、なんて誰も言われたくはない。

こうもっともらしく、低俗な倫理観を押し付けようとするところが氏の偽善性を如実に物語っていると私は思います。第一自分だけ高所に立った様なつもりで、「天罰」だなんてのほほんと言っていられる場合じゃないでしょうよ、東京都。

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http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4673797.html TBS News

東京都の石原知事は、「日本人のアイデンティティは"我欲"になってしまった」とした上で、今回の地震を巡って、「津波を利用して"我欲"を洗い落とす必要がある。天罰だと思う」と述べました。

 「津波をうまく利用して我欲を一回洗い落とす必要がある。積年たまった日本人の心の垢を。やっぱり天罰だと思う。被災者の方が可哀相ですよ」(東京都 石原慎太郎 知事)

 今回の地震に対する国民の対応について聞かれた石原知事はこのように述べ、今回の震災を「天罰」だとしています。(14日22:58)

2011/03/14

日本への帰国を決意する

原発事故の推移や、東日本大震災での被害、懸命な救助活動、これから問題になる復興などなど、大変心配な事が山積みな日本。私事にも問題が起きた、日本に帰って欲しいコール。数日時間をおいて、どうすべきか考えた。

ローザンヌで新しい仕事の話があって、今月中にもローザンヌに引っ越す計画で事が進んでいる中だった。やっとお店が出来る、開店に向けて、どう計画して行くか考えていた所だった。

しかし身動きが不自由になってしまった母をこのままにしておくことも出来ない。母には同居人がいるが、私は一人っ子でもある。母の彼氏も年で、相当疲れている様だ。今の苦しい時期に助ける事が出来なくて、何の家族だろう。

日本に帰るとなれば、数年以上の単位で日本での生活を覚悟しなければならない。妻は日本に行く気はないし、子供の教育もスイスで続けるのがベターだと思う。とすれば妻子はスイスに残し、自分だけ日本に帰国するということになる。

昨晩決心をして、日本に帰らなければならない旨を妻に伝えた。今回の帰国は現状無期限のものになるだろう、しかし定期的にはスイスにやって来る、と告げる。妻は日本にいる私の母と話がしたいと言って、今朝がた電話をかけた。事情は自分の耳で確認したに違いない。

今後いろいろな整理が待っている。日本への帰国を決意しても、すぐに出来るものではない。自営とは言え、登録してある事業所の閉鎖やら何やら、法律的な解決も沢山ある。しかし、いつまでもだらだらとスイスにいる訳にもいかないだろうから、4月末帰国を計画して、これから動き始めるつもりだ。

2011/03/12

福島第一原発爆発とは・・・最悪の事態に声も失う。東電の職員の皆様がんばって!



想定外の大地震とは言え、大地震が起きた際の原発事故の危険性については度々指摘されて来た。ついに今回これが現実となってしまった。しかもこの生々しい爆発!!

原発は微妙な存在だ。私は必要悪の様にも思っている。実際にその恩恵に浴しているが、人を傷つける悪魔にも変わりえる。

東日本大震災で、日本では想定外の大地震が発生することが証明された。マグニチュード9や10の巨大地震だって今後起こりうるのだ。それも日本のどこにでも。少なくとも、それを前提に日本の原発は安全を見直さなければならないだろう。

また、こうした事故を東電の責任にだけ押し付ける事も出来ないと思う。私たちは、こうしたリスクを知りながら、暗黙のうちに原発を受け入れてきているのだから。受け入れないにしても、恩恵に浴してきたのだから。この映像は教訓としていつまでも忘れない様にしたい。

この事故が今後どういう結末になるか、今の時点ではわからない。多くの人が感じている様に、政府は最悪の事態を予期して報道に制限をかけている様にも感じる。

東電の職員らによる必至の復旧作業にもけが人が出ている。現場は修羅場だ。命がけの作業となっている。今は、被害を最小限にとどめるため、がんばって欲しいと応援するしかない。

東日本大震災、スイスでもトップで報道

今回の巨大地震は、まさに東日本大震災と呼ぶに相応しいものだと思います。今は私の命名ですが、きっとそうなるに違いありません。

スイスのラジオでは、犠牲者が千人を越える状況と報道していました。今の段階で千人に達しているとすれば、最終的な犠牲者数はとても恐ろしい数に上るものとと想像できます。

深い悲しみに襲われています。まずは、犠牲者の方々のご冥福をお祈りいたします。

夜のスイスのテレビニュースでは、トップでしかも23分もの長きに渡る特集で報道していました。すさまじい揺れの映像や、ショッキングな津波の映像が報道されました。これはスイス人にも大きなショックを与えたと思います。多くの時間を割いて原発事故について報道していました。放射能を含んだ空気が放出されているとも報道していました。

スイスも原発があるので、敏感になっているのかも知れません。

しかも、今聞いたニュースでは、原発の避難範囲が3キロから10キロに拡大されている。事態は悪化しているとしか受け止められません。

それにしても、余震がすさまじい。何か東日本で大きな地殻変動が起きているのでしょうか。海岸部の被災地では地盤沈下が起きている可能性が指摘されています。また、大きな余震が東北、関東、甲信越の各地で起きています。早く沈静化して欲しい。願うばかりです。

やっと連絡がつながったが、無事とはいえない状況でもあるらしい・・・

桐生にはなかなか電話がつながらなかった。夕方4時頃、日本時間で深夜零時頃やっと電話がつながる。するとお店の電話が留守番電話になっていて、3月一杯まで休業とのことだった。超びっくりする。そこで真鶴の家(こちらが実際の住居)へ電話してみると母が出た。生きているということを確認出来てほっとする。

なんで3月まで休業しているのかと聞くと、腰椎の圧迫骨折を起こして半月入院していたのだそうだ。ようやく退院できたものの、2か月は安静にしていないといけないと言われている。実際の休業は4月末までに伸びそうだということだった。

年も年だし、もう無理は禁物となるだろう。このままではお店を続けるのも困難だ。私に日本に戻ってお店を手伝ってもらいたいという。日本の跡を継げる子どもは私一人、他に兄弟はない。いずれは帰らなくてはならない事になる予感はあったのだが・・・・、これはこれで急な展開となった。
本物の大地震から始まって、我が家に新たな大地震が発生した。

2011/03/11

宮城大地震、心配です。桐生のお店もつながりません。皆さんご無事ですか〜

地球の反対側のスイスにいるから、実態が全然わからない。金曜日は営業日なので母は桐生のお店にいるはずだが、電話がつながらない。桐生でも震度6あったそうだから、お店にも被害が出ている様な気がする。まず、お皿類は壊滅状態ではないだろうか・・・。
停電となったら、魚や肉も心配だ。今晩は営業どころの騒ぎではないだろう。

器物はまだいいとしても、家のみんなが心配だ。無事でいて欲しい。

宮城にも友達がいるし、福島は8年も住んだ所で友達も多い。かつての仕事仲間も心配だ。

皆さん、ご無事ですか〜。
お時間のある時にでも、無事を知らせてください〜〜〜。

2011/03/10

人はおおむね自分が思うほどに幸せでも不幸せでもない

肝心なのは望んだり生きたりする事に飽きない事だ。「ジャン・クリストフ」

ふーん。

確かに生きることに飽きたら終わりかもね。幸せや不幸せの基準は自分の中にあるものだから、心の持ち方で全てを幸せにすることも出来るんじゃないかな。その逆もあるわけど。
一切空の仏教的思想からすれば、人は幸せでも不幸せでもない、というのは言えている。

幸せは移ろいやすく、色あせやすい。幸せはいつしか幸せではなく、当たり前な事、退屈な事に変わってしまう。不幸せは不満や苦しみ、痛みとなって心の中に、静かに沈澱して行く。色あせはしても、それを消す事は出来ない。幸せは溜まる事がないのに、不幸せは溜まっていく。

幸せからは学習がない。不幸せからは学習が生まれる。幸せからは望みは生まれない。不幸せからは望みが生まれる。幸せは飽きて来る。不幸せに飽きることはない。不幸せであることは、幸せ(な心)になるということだ。それでは、不幸せは幸せの一部なのだろうか。

「希望があるから私は幸せ」と思う人は、今が不幸せな環境である事を心のどこかで知っている。

昨日、アルプスの見えるアルプを散歩した。実に幸せな気分だったが、この幸せをどれだけ実感しているのだろうと思った。それは、指からすり落ちていく砂にも似て、ほんの束の間なのだ。私は幸せを求めて生きている訳ではないと思った。何故なら、幸せにしがみつく事は、まさに煩悩の成せる技だから。幸せでも、不幸せでも、己の魂が燃えてこそ、そこに自分の生がある。幸せや不幸せは、それを囁いている。

2011/03/09

明日からベルンのカーニバル。3日間

パレードでも見物しに行こうかと思う。

http://fasnacht.be/index.php?page=verein&act=news

ドイツ語なのよね。
因みにカーニバルパレードは「Fasnachtsumzug」といいます。
土曜日が面白そう。朝からワイン漬けになろうか・・・。笑

私は西洋人の女が嫌いだっ!

いきなり過激なタイトルで入ってみた。じゃぁ、誰と結婚したんだったっけなぁという突っ込み覚悟の上であ〜る。

今日の夕方、いそいそと夕食の準備を始めると、風邪の為自宅勤務にした妻(西洋人の女)が、助けてくれと言う。鶏肉のグリルを作ろうと思っていて、鶏肉のマリネにかかっていた手を止め、パソコンの前に座っている西洋人の女の所に行く。(我が家での立場がどういうものかというのが、この描写で想像できよう)

すると、このメールに添付されたドキュメントを開いていいかとの事だった。メールはDHLから来た事になっていて、荷物の送付依頼を受けたのでその受付番号等を添付すると書いてあった。しかし、誰から送られたかという具体的な記述もなく、おかしいと直感する。しかも、ひどい英語だった。

例えば、The package was send….. 受動態なのに動詞の原形だ。はっきり言おう、日本人は文法に強いのだっ、こういう文法の間違いは犯さないし、すぐ判る。日本人が弱いのは、冠詞の間違いと、RとLの発音と綴りの区別のつかない事だっ。

相当怪しいメールだと判断。とりあえずZIPで圧縮された添付ファイルを解凍してみると、ドキュメントと書いてあるのにEXEファイルだ。EXEファイルというのを知らない人の為に説明すると、これはドキュメントではなくプログラムで、何らかの動作を実行させるものである。大抵はワームとかウイルスとか言われる悪質なものが該当する。

しかも、EXEファイルなのにアドビのPDFファイルのアイコンを表示させる様な細工をしており、悪意に満ちていた。ところが、何故だか私のウイルスソフト、アバストは「脅威は発見されない」とのメッセージを出す。もしかしたら、いたずらにソフトをインストールさせるインストーラープログラムかと思った。

そこで息子が使っているカペルスキーでチェックすると、脅威のあるソフトだとの判断だった。カペルスキーはやや敏感すぎるウイルスソフトと思っているけれど、どちらにしても不必要な良からぬEXEファイルである事が判明。

するとだ、この西洋人の女、このウイルスメールは日本から来たに違いないとぬかしやがる。冗談かと思ったが、目が真剣だ。「何故だ?」と聞くと、このひどい英語が証拠だと言う。こういうひどい間違いをあなたもしているという。

おいおい・・・・

いくらなんでも、こんな中学生並みの文法間違いを犯すかっちゅうの。わたいは主に英語でスイスの弁護士と渡り合っているんでっせ〜〜〜。するとこれを横で聞いていた息子が私の擁護に入った。「英語が下手なのは日本人ばかりじゃないだろうっ」。

そうだそうだ、やい、ざまぁ見ろ、と一瞬思ったのだが・・・・

おいおい・・・・

それって、微妙に援護になってないんじゃないのか???
それじゃぁ、日本人みんな英語が下手って事じゃないかぁぁぁぁ。涙

そういう細かい突っ込みはこの際無視して、さらっと反撃する。「そうだよね、英語が下手なのは日本人だけというのは、いわゆる偏見だよねぇ〜」。我ながら見事な反撃だと思ったのだが、西洋人の女はこれくらいじゃ動じない。「英語が下手な私、そして日本人」が完璧に刷り込まれている。大涙

息子にメールが送られたIPアドレスの出所を調査させる。私も情報処理技術者のはしくれ、コンピューターやインターネットの基礎ぐらいは息子に叩きこんでいる。すると、出所はインドのとある田舎町だった。ほれみろ、このウイルスメールはインドが出どころじゃないか。何が日本から来ただ、しかも英語が下手だからだとぅ、それじゃぁ、インドはどうだっちゅうの。うん?イギリス植民地の経験があったにしても、こんな英語を使うインド人だっているんだぜぃ、あん、あん、どうだっ。

・・・とは心の中の勝利宣言だった訳だが・・・。

「おい、あのメールはインドからだってよ」
というと、西洋人の女
「あっ、そう、何でそんな事するのかねぇ、馬鹿みたい。あなたわかる?どうして?」
だと。くそっ、もう話題のすり替えにかかってやがる・・・・・。
「ごめんなさい」という発想は皆無だ。
つか、自分のさっきの偏見的発言、全て頭から抜けてないかぁぁぁぁ。

私は西洋人の女が嫌いだっ!

2011/03/08

蟹で満足!たまにはいい事も。笑

リヒテンシュタインのファドゥーツに友人がいて、彼のパソコンのトラブルを解決する作業をよくやっている。この人はVistaを使っているのだけれど、Vistaはほんと良くないと思う。不必要な警告がばんばん出るし、それに重い。USB周辺機器の接続にも障害を起こしている。一度そのパソコンを修理に出したのだが、結局不安定さは改善できなかった。

これはこれで残念な話なのだが、お手伝いをするとお礼にワインや色々なものをもらえる。これはうれしいこと。流石にそれが直接の目当てではないのだけれど、もらえるものはうれしい。笑

今回は冷凍のカニとイカをもらった。あと鰻ももらった。鰻はまだ食べていない。うな丼にして家族で分ける程の量でもないので、どう処分するか思案中。寿司にでもと考えている。ただ、その場合、他に魚を仕入れなくては・・・。

カニはまずカニちらしずしで食べた。酢飯を作って、これに身をほぐしたカニをまぜる。この上に、カニ棒、イカそうめん、エビ、錦糸卵をあしらう。おいしかった。作ったちらしずしはその晩に完食。

まだカニが余っているので、今度はカニチャーハンを作る。手許にズワイガニのエキス、ホタテガイのエキスがあるので、これを混ぜ、卵も加えたカニ玉チャーハンだ。ズワイガニやホタテのエキスが効いて、激うま。それにカニやホタテの香りがぷ〜んと漂い、なんとも言えない幸福感を味わった。おいしいものを食べている時は、し〜あわせ〜〜。♪

たまにはいい事もなくっちゃね。

2011/03/05

交渉というのはやはり疲れる

ローザンヌの件はようやく相手が支払いに応じ、決着の方向に向かった。しかし、私も請求額のおよそ2割減の妥協を強いられた。私は相手が嘘をついていると思っているのだが、立証できない。さらに契約の不備で、相手側の現状を検査も出来ず、単に全てのライセンス情報を相手が破棄することを約束させることしかできなかった。しかし支払いを得る事が出来ただけでも良しとするべきか。

法律的な手段によって補償を得ると言う行為は、並大抵ではない。しかも法的経費は気が遠くなるほど高額と来ている。

相手の弁護士とのやりとりが4カ月続いた。言葉のハンデを抱えながら、法律の専門家とやりあえたのには、少し自己満足がある。しかし裁判まで見越し、私も少し弁護士のアドバイスを仰いだ。その弁護士は自分が矢面に立つと弁護費用がかさむだろうし、何千万円規模の案件でもないので、私が処理できる範囲では私が行い、それに関して助言するという形で助けてくれた。それは結構大変だったけれど、自分の身にもなったし、費用もかなり削減できたはずだ。良心的な弁護士だと感謝している。(私を貧乏人だと見越していた訳だが・・・汗)

一難去ってまた一難、またまたトラブルが発生。例のパンの件だ。一方的な損害は何としても食い止めなければならない。しかし、利害関係の衝突は大変なストレスを生む。出来ればそれは避けたかったのだが・・・。でも、現実はそうはいかないらしい。私の会計士が言ったことだが、お金は天から降ってはこないのだよ・・・。ほんとねぇぇぇ。でも、トラブル案件の交渉ってのは毎度疲れるよぉ。まぁ、自営業者の宿命かな。

2011/03/03

信じられないスイスポスト・エキスプレス!朝5時配達!

日本のパン500個をイベント用に土曜朝9時着のエキスプレス便で送ってもらう。朝7時にイベント会場にいたが、一向に荷物がやって来ない。しかしスイスポストは意外に安全なので、やってくるだろうとは思っていた。ところが、指定時間の9時になっても荷物がやって来ない。

そこでサービスセンターに電話したら、もう配達に行ったが誰もいなかったので配達できなかったとの返答だった。それはおかしい。朝早くからいたし、今もいるのですぐにでも届けてもらいたいと言うと、もう手遅れで、ドライバーは9時過ぎると帰宅していないという。

いくら土曜日だって、9時過ぎたら配達人は帰ってしまうのか?スイスポスト!!!

それなら引き取りに行くと言っても、もう誰もいないと言う。土曜朝9時過ぎには、もう配達業務全てを終えてしまうのか?スイスポスト!!!!

では、いつ届けてくれるのかと聞くと、翌々日の月曜日になると言う。そんな、月曜日ではイベントは終わってしまい、売れないし、賞味期限が切れてパン500個食べられなくなってしまうではないかっ!!! 損害額2668フラン。日本円にしておよそ24万円。

目眩がした。

もう一度、サービスセンターに電話して、何時に届けたのか聞いたら、朝の5時13分だという。そんな朝早く届けたって、みんな寝ているだろうよ。朝5時に配達して、それっきりかよっ! ふつふつと怒りがこみ上げる。

スイスのエキスプレス便って、朝5時かいっ。それがスイスの常識かいっ。びっくり仰天、呆れて声も出ない。

エキスプレス便は保険付きなので、損害賠償を要求したのだが、イベント会場の様なオープンな場所は賠償の対象外だと拒否された。

さらに目眩がした。