放射線と放射性物質の概念を混同して国民の不安をメディアは煽らないで欲しい
苫米地英人
なかなかわかりやすい記事だった。氏の主張を私が理解した範囲で要約すると、原発からの放射線の漏えいと、放射性物質の拡散は区別して考えるべきということ。
1.放射線の影響
原発からの放射線の漏えいは高い値だけれど、発生源の炉から距離を得れば確実に被曝を防げる。これは現在の退避圏外にいれば大丈夫との指摘。
2.放射性物質の影響
放射性物質の拡散はチリに付着して行われるので、風向き等によって遠くまで運ばれる。しかし、チリなどに付着した物質から放出される放射線の量は限られているので、放射性物質が肌に付着、あるいは体内に取り込まれない限りは問題ない。
今放出されている放射性物質は、11日(13日前)で停止した以前の核分裂によって生成されたもので、それ以降は生成されていない。よって、放射性物質の総量は生成後の崩壊によって減少の一途をたどっている。今後再臨界という事故がない限り、放射性物質は減少して行く。
現在主にチリに付着して放出されているのは、ヨウ素131(沸点184.25℃)、セシウム134、セシウム137(沸点641度)。これらの放射性物質は沸点が低いため、今回の炉心溶融などの損害で気化し、これがチリに付着している。
ヨウ素はかなり大量に放出されると思われるが、セシウムは沸点の温度からしてすぐに固体化するのであまり放出されていない。測定地でもセシウムは基準値を超えるものの低い値を示している。
ストロンチウム90は再臨界が起こらない限り問題にならない。(問題となっていない、因みに沸点は1382℃)
こうした事を考慮すると、放射性物質の拡散については、現状の推移で原子炉周辺以外において問題とはなりにくい。仮にヨウ素の検出値が基準を越えても、半減期が短いため、短期間で基準値を下回る。(別の所では、氏は基準値を超えた野菜であっても、流通を通って食卓に上る頃には基準値を下回ると指摘)しかし再臨界があった場合、50km圏内の土壌と農作物や魚介類のストロンチウム90汚染が問題となる。
氏の総括
放射能という概念を一人歩きさせて、放射性物質という概念と一緒にして、国民に不必要な不安を与えているテレビメディアの罪は大きい。数字だけは、マイクロシーベルトとかミリシーベルトとかと意味がありそうに比較する。だが、原発付近での直接被曝と、大気中放射性物質による間接被曝は全く違う。
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政府が公表している放射線、放射性物質の測定値からすると、氏の主張は正しい様に思われる。これも押さえておきたい情報だろう。水や食べ物の放射能汚染でパニックを起こさない為にも。少なくとも自分が風評被害の種にならない様に注意したい。
放射性物質が、チリに付着し風に乗り、遠くまで運ばれている方が怖いのではないのですか?衣服についてそれを鼻から吸い込むだけで、体内に取り込まれるという話を広瀬隆さんの説明している動画をつい先ほど見ました。それをみて非常に怖いことが今起きているんだな、と思っていたのですが・・・。
ReplyDelete東京都の水道水が210ベクレルの放射性ヨウ素検出しました。これをざっとシーベルトに換算すると、4.62マイクロ・シーベルト。1年中これを浴び続けても大丈夫な量です。
ReplyDeleteブラジルのある地域の毎時自然放射線量が11.4マイクロシーベルトです。
東京都で起きている事は、自然放射線の強い地域の半分以下ともいえ、神経質にならなくてもいい様な気がします。無論、なるべく放射線を浴びない様にする事は大切です。
例えば、日焼けを防ぐ努力をするのと同じ様に。
ブラジルのその地域のベクレル値を換算すると、1351となります。この位ヨウ素が舞っていたら、放射線の強い地域として注意すべき、と言えそうです。
なので、放射性物質がどのくらいそこに運ばれているかの方が重要だと思います。
放射性ヨウ素は医療にもちいられるケースもあります。
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2011-03-22
このサイトによれば、摂取制限までかけられた福島のホウレンソウを1キロ食べて、レントゲン写真1枚分だそうです。いくらなんでも1キロ食べないよね。
私はだからと言って安全だとは思っていません。慎重な注意を払って、なるべく放射線を避ける努力は必要と思われますが、過敏になり過ぎてもかえって逆効果だと思っています。