2010/03/29

官尊民卑の日本語

馬廻り役からどんどん興味がわいて調べていったのだが、江戸時代の人口が2千5百万から3千万人で、その7%が支配層の武士だったとのこと。人口にして200万人前後、あるいは弱といったところか。これらを職業軍人と捉えると、結構な軍事国家だったともいえそうだ。農民の比率は84%、商工の比率があわせて6%。

武士の中でも、幕府直轄の武士は「直参」で、他の大名の家来などは「陪臣」と呼ばれた。陪臣ってなんだろうと思ったら、要するに家来の家来だそうだ。大名が将軍の家来なのだから、家来の家来となる。陪には従うとか、家来と言う意味がある。

武士の階級も複雑で、大名の重臣などにも家来がいたから、こういった人は家来の家来の家来だ。家来の家来の家来の家来までいたかどうかはわからない。笑

ところで、陪審員という制度が最近日本で取り入れられている。陪は従うとか、家来という意味があるのだから、これは審、すなわち裁判所の家来という意味にも受け取れなくはない。従って不適切な言葉の様に思える。国民には主権があるという立場からすれば、裁判への参加も主権の行使のうちだろう。裁判所の格下に陪審員がいるということではない。

陪審員、昔の官尊民卑の風潮からこうした言葉が生み出されたのだろう。気がつくと、この様な不適切と思える言葉は他にもある。例えば、国会に国民の意見を直接届ける制度「国会請願」がそれだ。これなどは国会に「請い願う」制度になっている。官職のない国民は国会に請い願う事しか出来ない。なかなか差別的な、お上に民をへつらわせるような名称だ。

どうして「国民提案」とかの名称にしないのか疑問に思う。よらしむべし、しらしむべからず。日本はまだその域を漂流しているのかも知れない。

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