2011/12/04

audiovisuelle wahrnehmungsförderung

今日は長男の誕生日を祝って、家族でケーキを食べる。その前に、ブランチに日本食を用意した。午後のゆったりした気分でいたが、
http://norisann.blogspot.com/2010/10/12.html?showComment=1322999329227#c2929510894263777745
など、日本の教育の遅れと、一向に改善しない体質などにため息をつく。

日本人一人一人は優秀で、本当に親切で奥ゆかしいと思えるのに、どうして組織とか集団になるとこうも愚かなのか。奥ゆかしいなどの消極的な姿勢が、その欠点として組織の非発展性を生んでいるのかも知れない。であれば、致命的かつ救えない。

私の長男はADDだったのだけれど、というか今もだろうが、学校の協力、医師や専門家などの適切な治療と助言を受け、なんとか今年専門高校に入学出来るまでに成長した。電気工学系の勉強をしている。高校なので卒業すれば大学入学の資格も得られる。そして専門技術を身につければ、スイスで一生食べて行けるだろう。それに私が日本でやってきた系統だし。親としてもそれなりに助言が出来る。

自分の息子を視点に考えると、進んだスイスの教育システムの恩恵を受けていると思える。妻がそもそも障害教育の専門家であるとう点も見逃せない事実だが。

ADDの子供の治療の必要性は、日本でもこんなページがある。
http://kids-emotional-ailment.flaxworld.com/trouble_of_behavior_of_child/ADD.html

以下引用-----
現在では、子ども時代にADDを治療しておかなければ一生治らず、後の人生に多くの悪影響が出てくることが多いのがわかっています。

子ども時代にADDだったティーンエージャーや成人は、子ども時代に苦しめられていたのと同じ後遺症(不注意、衝動性、過活動)にしばしば苦しめられるばかりでなく、

行動障害のなかった同僚より反社会的行動を犯したり、アルコールや麻薬を乱用したり、自動車事故を起こしたりする確率が高く、自尊心が低く、学業や職場での業績も劣ってしまいがちになります。

これが早い段階に診断や治療が不可欠な重要な理由です。
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三男はアスペルガーと診断されていて、今までモンテソーリに行っていたが、今年から普通学校に転校した。スイスでは障害を持った子供の普通学級での教育を進めている。これもスイス教育の進んだところだ。子供は週の何時間か障害教育の専門家からカウンセリングを受けつつ、普通学級で一般の子供たちと一緒に授業を受ける。三男はこうした普通学校での進んだシステムの恩恵で、今順調に学校に通えている。

三男には未だ失読症(うまく読めない)、計算力障害(うまく計算できない)、書字障害(きちんと書けない)などの障害がある。普通の人間は文字を上から下に書くが、三男は下から上に書く。6を書こうとして9を書いたりする。医師によると知能自身は正常で、そういう障害を有しているだけなのだという。

もう少し説明すると、例えば計算力障害、69と書こうとして96と書いたりするのだが、本人にはこの二つの表記が区別できない。しかし、計算自体、すなわち60足す9が「ろくじゅうきゅう」であることは理解できている。しかし「ろくじゅうきゅう」を96と書いてしまえば、それは間違った数字を示していることになってしまう。

こうした障害に対する治療であるが、これが今回のタイトルの「audiovisuelle wahrnehmungsförderung」に結びつく。日本語に訳すと「視聴覚認知促進」となるが、この治療法はまだ日本に伝わっていない。全くの先進治療だ。障害教育の専門家の妻が見つけ出して来た。流石専門家だ。脱帽。

audiovisuelle wahrnehmungsförderungはAVWFと略されている。アメリカの学者がこの治療法を開発し、ドイツで臨床法が確立された。すごい国際的な先進治療法だ。

http://www.avwf.de/de/

私もこの治療に立ち会い、説明を受けたのだが、子供に音楽を聞かせるだけというぶっ飛んだ治療法なのだ。しかしその音楽の中に特殊なビートが仕組まれており、このビートが脳内細胞を刺激し、やがて治療効果を発揮する。

およそ1週間この治療に子供を通わせた。効果は半年後くらいから現れると説明を受けた。で、その効果であるが、我が家の子供たちにはあった。びっくりするほどあった。

まず、二男だが彼はADHDでシュプラッハシューレという特別な学校に通っていたのだが、晴れて普通学校に行けるようになった。とりあえずは長男が通った私立の中学校に進学させることにした。ADDの長男が通えたという実績のある学校なので、私もその案に賛成だった。

次に三男だが、悩みの種だった計算力障害などの学習障害がこの治療後に快方へ向かった。
日本でも、こうした治療が開発されてもらいたい。

小6少女自殺事件とその後の推移をみても明白なように、日本の教育システムは遅れている。間違いない。学校が理由で子供が自殺するなど、これは子供の責任ではなく、学校教育の責任と言える。いじめと関係があるとは言わないが、例えばADDなどの障害を持つ子どもたちは、必ず1割弱いるという。子供たちを集めて、集団的に教育していこうとするのであれば、個別にこうした対処をしていく必要があるのだ。いじめも然りだ。

昔はマスプロ教育で、標準品製造、不良品切り捨てでも済んだかも知れないが、今は少子化の時代。どんな子供でも精いっぱいの能力を開花させて、大人になっていってもらわなければならない。それは先進国社会の使命でもあるはずだ。

2 comments:

  1. 良い方向に向かって進んでいるご様子。
    本当に良かったですね。
    のりさんがスイスで苦労している
    甲斐があったと言うことです。
    今まで、好き勝手をして生きてきたのだから、
    あとは子供のためだけに生きてください。w
    ちなみに私はこれからの人生は自分と妻のために
    生きて行こうと思っています。

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  2. まだまだずぅっと先の事ですけどね、孫って出来たらどうなるんでしょうねぇ。うちの馬鹿息子共はなんとかそれなりに成長して、まがいなりにも独り立ち出来ればいいや、男だし、どこでも飛んでけ~、と思ってはいるんですがね。

    ただ、子どもたちがスイスでスイス人と結婚すれば、孫と日本語で会話するという可能性は、ほぼゼロですけどね。

    生きたいように生きた気でいましたけれど、お天道様はそうそう勝手にはさせてくれねぇぇぇ、と思う今日この頃っす。

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