2011/03/22

専門家の一意見「楽観はできないがチェルノブイリ級の破滅的事象はない見込み」

JMMのメールマガジンで編集長の村上龍氏が、多くの人に読んでもらいたいと推奨している専門家の意見。著者は環境エネルギー政策研究所所長 飯田哲也氏
http://www.isep.or.jp/images/press/script110320.pdf

私も、現状が維持されるなら、破滅的事象は食い止められると思う。私が一番心配していたのは、溶融燃料による水蒸気爆発、それによる周辺複数炉への損害による原子炉破壊の連鎖だったけれど、これも食い止められるだろうと思う。

まずは放水活動が確保されており、例えメルトダウンが起きたにしても、部分的な損傷に止まるだろうと推測される事。であれば、飯田氏のレポートにあるとおり、最悪でも再臨界による爆発的事象は起こりにくい。

現時点で外部電力は確保されており、損壊した機器を交換する事により、復旧作業は順次進められる。これは時間の問題であって、数か月を要すかも知れないが、冷温停止の道筋が開かれている。

アメリカやロシアの専門家の判断でも、破壊的な事象は避けられたとの認識にある。

ECCS復旧の朗報が待ち遠しい。

予断は許れないのだが、希望は持ちたい。
それにしても、放射能汚染が与える農産物や海産物の被害を考えると、この時期に事故が起きたというのがせめてもの救いだ。農繁期だったり、イワシやサンマなどの漁獲の最盛期だったりしていたら、考えただけでも恐ろしい。

在外邦人は日本国外でのほほんとしている訳ではない事も触れておきたい。今回の震災では皆一様に心を痛めている。スイスでは募金をするだけでなく、町に出て募金活動を行っている人も沢山いる。スイス大使館では、震災犠牲者の方々への哀悼、被災された方々への励ましの為の記帳を行っている。

9.11のテロ事件になぞらえて、この大震災を3.11と表現する記事も見受けられるが、9.11は世界的な対立、殺戮の契機となった。それは世界が暗い方向へ落ちて行く象徴的な惨事だった。3.11は9.11とは比較にならない犠牲者数と何十兆円もの被害を出している。世界各国にある原発の安全性にも警鐘を鳴らした。しかも現時点では把握できていない惨状がまだまだある。

しかし3.11で世界に報道されたのは、そうした未曾有の悲劇的な災難の中で、人々が自助の精神と忍耐を持ってそれを乗り越えようとする姿だ。絶望的な光景の前で、これから復興して行くんだという希望だ。小さい国の国家予算にも匹敵する義援金が寄せられている。世界中から救助が来た。助け合いは国境の垣根を越えた。

3.11は世界が明るい方向へ行く事も可能だという象徴になると考えたい。日本は今、その模範を努力と忍耐によって示そうとしているのだと思う。

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