2011/03/24

「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の試算について」をみて

http://www.nsc.go.jp/info/110323_top_siryo.pdf
緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の試算について」

河野太郎さんがブログで指摘した即日に公表された。
気になる数値、この内部被ばく臓器等等価線量というのは、いわゆる試算値だから必ずしも正確な科学的単位の放射線量ではない、というのは理解できる。しかし、これに国家予算をつぎ込んでこうした試算をするのだから、相当な科学的根拠があるもの、とも理解される。評価では精度を高めるためにさらなるモニタリング結果の充実が必要とある。

で、図中の線量等値線は3月12日から24日までの積算値ということ、この12日間ずっと外にいたら浴びるだろう放射線量で、屋内にいたらこの線量の25%から10%の線量を浴びている事が推定される。

この等値線量はいきなり100ミリシーベルトという高い数値からなっている。この100ミリシーベルトという数値は、この線量を浴びると健康に明らかな影響がでるという数値だ。等値線のレベル3は明らかな症状が出始める線量。よってこの等値線は、すなわち直ちに健康被害が懸念される範囲を示しているものと考えられる。

本来の安全意識でいうならば、直ちに退去命令だろう。

この等値線が示す事実は、地形や風向き等により一定の偏向性があって、第一原発より北東及び、南から南西にかかる地域に被曝の危険性が長距離に分散するということ。そして、該当地域はざっとみても、50から60キロ以内となる。

すなわち、この地域だけを見ると、既に現在設定されている退避勧告地域の約3倍が設定されなければならないということだ。

政府は20日に風向きが変わってやっとこさこのシステムが使えるようになったと言っている。その追及は後回しにしても、何らかの対応が必要ではないか。

なお、この基準は医学的な根拠によるとされている。しかし、原子力安全委員会が定める方針では、50ミリシーベルトで避難の指示を出し、10ミリシーベルト以上の場合屋内退避の指示を出すという事になっている。なのに、この図では10ミリシーベルトまでの等値線は示されていない。

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