2010/04/27

ドイツ、シュヴァルツヴァルド、黒い森とドナウの源泉

 ストラスブールからはフランスを出てドイツに入る。ローヌ川を挟んだアルザス対岸のこのドイツ地域はシュヴァーベンと呼ばれる地域で、背後にシュバルツヴァルド(黒い森)と呼ばれる山間部が控えている。ここの人達の祖先はスイスのドイツ語圏に住んでいる人達と同じゲルマンのスエービ族だ。そんな関係か、ここの人達も生真面目で勤勉なんだそうだ。ドイツの北の方の人からは、つまらない田舎者と見られる事があるとか。スイス人も他のヨーロッパの国から同じ様な評価をされている。

 フライブルグはそんなシュバルツヴァルドにあるシュヴァーベンの町。因みにこの町は、スイスの首都ベルンを作ったツェーリンゲン公が作っている。ツェーリンゲン公の本拠地はドイツのバーデンにあった。ドイツのフライブルグには大聖堂があって、この大聖堂の塔がヨーロッパで一番美しい塔と言われているのだそうだ。どんなもんか見てみたくて、普段は通過しているフライブルグに寄ってみる。絶対に期待出来ない事はわかっていたが、さらに悪いことに塔が改装工事中だった。しかし、改装工事が終わってもやはり期待出来そうもない様な塔であることは確かだった。

 因みに、スイスにもツェーリング公が作った、同じ名前のフライブルグという町がある。ベルンから電車で30分くらいの所だ。こちらはフリブール州の州都になっていて、町の美しさなどから比較しても、スイスのフライブルグの方に軍配が上がる。

 フライブルグからはドナウエシンゲンに向かった。このシュバルツヴァルドのまっただ中にある小さな町には、ヨーロッパで2番目に長い川とされるドナウ川2850キロの源泉がある。一番長いのはロシアを流れるヴォルガ川3690キロだが、ロシアはヨーロッパではないとの偏狭な考えから立脚すれば、ヨーロッパで一番長い川となる。

 ドナウエシンゲンにはドナウの源泉(Donauquelle)と呼ばれる泉がある。ここが源泉とされているが、地理学的には源泉はフルトヴァンゲンという町の郊外にある「ブレクの泉」とされている。いずれにしてもドナウ川という名称はドナウエシンゲンから始まっている。今回は一般に正統とされるDonauquelleを見た。ドナウ川の長さもここが起点らしい。しかし、この泉、流れ出たとたん地下に潜ってしまう。こ、これで川が始まると言えるのだろうか・・・・・。

 あまり深いことは考えず、とりあえず源泉を見た事で満足し、ベルンへの帰路についた。この時何も考えず、またドイツのフライブルグに戻り、そこからバーゼルを経由して帰ったのだが、あとで地図をよく見たら、ドナウエシンゲンからスイスのシャフハウゼンはもう目と鼻の先。こちらを経由した方が全然早かった。

 シュバルツヴァルドは広大な山間部で、ハリモミの森がどこまでも続いている。この濃い緑が時には黒く映るので、シュバルツヴァルドと呼ばれる。全く森だけではなく、谷がそこかしこに走っていて、その谷には畑や牧草地が広がっている。山はそんなに高くはないが、自然と調和したシュバルツヴァルドの地域は、バケーションの滞在には適所と思えた。

 バーゼルを経由し、ベルンに戻ったのは午後8時前だった。本日の走行距離782キロ。この5日間の旅行で3842キロを走る。単純に5で割って平均を出すと1日768キロ。ガソリン代だけで501フランを使った。日本円にして約4万5千円。行程中のほとんどで高速を利用したが、その高速代は6800円程度だった。高速代のほとんどがフランスだった。

 今回の旅行では、何といってもアウシュビッツが圧巻だったが、旧東欧の町々を巡ることが出来たのは本当に良かった。ポーランドの平原、どこまでも続く黄金色の小麦畑は印象的だった。自然に恵まれているこれらの国は、今後順調に発展するだろうと思う。ポーランドも、チェコも幾多の困難があった国だが、これからは自由で平和に、そしてそれぞれの国民が幸せになる様な形で繁栄して行ってもらいたい。個人的にはチェコが気に入った。ビールもうまいし、ワインも良さそうだ。しかも物価が安い。またチェコに行きたいと思う。次回は電車で行って、ビール三昧、ワイン三昧だ。
 

2 comments:

  1. すごい走行距離だねぇ。
    確かに飲めないのは面白くない。
    フランスのワイン街道を飲み歩きたいものです。

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  2. フランスのワイン街道、響きがいいですねぇ・・・。涎
    一生飲み歩けますわ。
    とりあえず、5月1日はエペス(スイス、この地区のワイン畑が世界遺産に登録されている)でワインに溺れて来ます。

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