私が日本の温泉でごろごろしていた1月3日。スイスでは山スキーヤーが雪崩にあって7人が亡くなった。これは衝撃的なニュースで、3日間スイス中に衝撃を走らせたのだそうだ。残念なのは、亡くなった人の一人が、妻の同僚のご主人だとの事で、面識はないのだけれど、何と同じ年齢でもあるらしく、心から冥福をお祈りしたい。
この事件が悲惨だったのは、7名が死んだということに加えて、ありえない様な2度の雪崩によって被害が拡大したという事。雪崩が発生した場所は雪崩が稀にしか起こらない所で、1度目の雪崩ではたった一人のスキーヤーが巻き込まれたのだそうだ。
この人はヘリコプターなどの出動によって無事救出されたかに見えた。ヘリコプターからは救急の医師が地上に降りて応急処置に従事した。それと同時に近くにいた山スキーヤーが救助に従事していた。
そこに2度目の雪崩が発生し、最初の遭難者、医師、救援者がもろともその雪崩に巻き込まれ死亡してしまった。6人の犠牲者は、一人の遭難者を助けようとして、そして死んでしまったのだ。それも同じ場所に2度の雪崩によってだ。なんという運命のいたずらだろう。
山スキーには雪崩のリスクが付きまとう。スイスの様に年会費制の無料救助ヘリコプター(Rega)まである様な救助体制の整った国ですら、大自然の威力と気まぐれには翻弄されるしかない。山スキーで亡くなる人は毎年十数人に上るそうだ。
それでも、冬山の美しさ、誰もいない雪原を滑降する爽快さに魅せられて、人々は山スキーをする。
因みにスイスで山歩きやスキーをしようとするならば、保険だけはしっかり入っておいた方がいい。救助隊などが出動した場合、その費用は全て個人負担になる。その費用がまた馬鹿高い。大抵ヘリコプターなどが動員されるが、まずそれで二十万からの請求が来る。一回遭難したら、数百万円の出費を覚悟しなければならない。
ある山歩きしていた日本人が、脳内出血で倒れ、そのまま集中治療室行きになり、結局お亡くなりになられ、亡骸となって日本に帰ったそうだ。数百万円の請求書と共に。
救急車はただだと日本人は思っているが、救急車もスイスでは有料だ。実は息子が貧血で倒れて市内の病院に運ばれた時、救急車のお世話になったのだが、あとで八万円の請求がやって来た。我が家はこの様に医療費で貧乏だったりする。
2010/01/20
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