2011/07/17

スチコンに憑りつかれつつある、いや、スッチーではないっ!

それに、スッチー・コンプレックスでもない。
念のため。

日本では、た、たぶん一部の業界用語なんだろうけれど、スチーム・コンベクション・オーブンのことを略してスチコンと呼ぶ・・・らしい。
http://www.maruzen-kitchen.co.jp/support/stcon/index.htm

で、ちなみにこれがうちのキッチンにある。うちのレストランは買収した物件なので、もともとあったものだ。最初は、どでかい邪魔なやつしか思っていなかった。

そもそも、うちのレストランのキッチンは全然和食、無論麺料理向きでも何でもない。洋食向けのキッチンな訳で、洋食屋としてはきっと恵まれたキッチンなのだろう。でも、私にゃ不便で仕方がない。麺を茹でるにも火力不足。フライヤーなんか、フレンチフライ向けのものだ。これでちまちま天ぷら揚げていた日にゃ、一度にどさっと注文が来た日にはテンパってしまう。

で、このスチコン、私にゃ無用の長物と思っていたのだが、肉を焼くのにはオーブンというのは適しているというのを、家庭用のオーブンでの体験で知っていた。

これはもしかして、何十人分もの肉を一気に焼いておけるいい装置なのかも、とある日ふと思った。そこで、この無用の長物を利用する事を決心する。

因みに、このコンベクションオーブンとは熱風を当てて調理する装置で、普通のオーブンとはちょっと異なる。温度管理された熱風によって調理されるため、焼きむらがないというのが特徴。だから、一度に何段も肉や魚を入れても、みんな焼きむらなく仕上がる。何十人分もの肉や魚が、一気に焼き上がる。これは優れものだ。

さらに、スチコン、このコンベクションオーブンに蒸気を当てる機能がついていると、焼く、蒸すが一気に出来る。冷蔵庫に保管した冷えたご飯をこのスチコンちゃんはものの5分でふかしてくれる。しかも窯ごと。これがミソ、電子レンジには金属容器を入れられないが、スチコンは気にしない。

ということで、このスチコンを活用すると、忙しい時にも、いつでも柔らかくて美味しいお肉やお魚を、しかも均一に大量に焼きあげてくれるのだ。たった10分足らずのうちに。これは超便利だ。

私の料理でも、うどんやラーメンの上に、鶏肉、豚肉、鮭などを乗せるので、この下ごしらえには大変重宝する。また、宴会時に沢山作り置いたものを温め直すにもこれが活用する。

このスチコンは温度と湿度の調整が出来て、その調節によって色々な調理が出来るし、料理によってその調節が生きたり死んだりする。これが大変面白い。かなりこのスチコンに憑りつかれてきた。現在色々と研究中だ。

スイスでもこの業務用のスチコンは高いらしい。軽く百万を超えると言う。こんな調理器具を使えるのは幸せなんだろうな。もし私が洋食のコックで、うちのレストランで修業を積むことが出来たとすれば、多分願ったり叶ったりの事なんだろう。横目でスイス人シェフの仕事を眺めながら、つらつら思う。

ただこのスチコン、具の調理にはいいのだが、肝心の麺調理には役立たず。涙。
やはり、洋食のキッチンは働きにくい。茹で釜ほし〜〜〜〜〜。
(写真はうちのレストランです、なかなかいい雰囲気でしょ。ここでうどんなんす。苦笑)

2 comments:

  1. いい雰囲気のレストランですね。
    オーブンではチャーシューをたくさん作れますね。
    なんか面白そうです。
    そこで果物の乾燥などもできるのですか?
    ブル-ベリーなんかの乾燥もいいですね。

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  2. ありがとうございます。
    スチコンでチャーシューですか。面白そうですね。私は炭で燻したチャーシューが好きです。そのひと手間がいいんですけど、そのひと手間とそれ用の設備が・・・。

    ブルーベリー乾燥させてどうするんです?

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