2011/07/30

政治は投票してあとはお上任せではない

よく、日本の政治に期待していない、という人がいる。というか、今の日本人の大半は政権政党を批判し、政府は信用していない。

この元凶は、硬直した日本の官僚機構にある。実際の行政の実務を司っているのは官僚。しかも、長い自民党政権時代を通して、法案立案までこなす様になっている。官僚には選挙がない。こうして長期間の実質的な実権を握って来た官僚が、日本の実質的な支配者だ、といっても過言ではないだろう。

官僚を叩く事が出来るのは、国民が選挙で選ぶ政治家しかいない。民主党も出だしはこれに手を出そうとした様に見えたが、結局官僚の敵ではなかったようだ。ネガティブキャンペーンを張られ、揺さぶられ、今じゃ民主党もかなり官僚に従順な政党になった様に見える。官僚が反旗を振りかざすと、許認可で縛られている民間がこれに追随する。メディアなど官僚の立派なポチ。相当に手強い。

アメリカで政権が交代すると、それに付随して官僚の主要ポストもごそっと代わる。今更こんな変革は出来ないだろうが、少なくとも継続的に官僚支配機構を壊してもらって行かなくてはならない。政府が2度、3度とこけても、官僚機構が叩かれ続ければ、長年の基盤にもひびが入る。

国民も原発事故を通して、どれだけ今の行政が無能で、メディアもうそつきかという事を思い知らされたろう。政治家を批判するのはかまわない。しかし、国民自身が明確な要求を持って、その実現の達成状況によって政治家を批判するなり、評価するなりが必要だ。どんな法案を作り、何を変えたか。例えば、自分が投票した政治家が、議員となって何をしたか、その批判・評価をする必要がある。政治は投票してあとはお上任せではない。

民主党も今回の政権獲得で、かなりぼろぼろになったと思う。政権を獲得すれば政府を司る政党になり、行政の失態も政権政党として責任を取る事になるのだ、という覚悟が出来ていなかったのではないか。そうこうしているうちに、足元を掬われてしまった。もう政権に止まれる時間も短くなっているのだから、きちんと叩くべきものを叩くという姿勢を貫き、次の機会に備えてもらいたい。

No comments:

Post a Comment