2010/02/18

中国、対ソマリア海賊の護衛で欧米の仲間入り

スエズ運河を経由し欧州とアジアを結ぶ重要な航路となる紅海の南端にソマリア湾があって、アラブからアジアに送られる石油の重要な航路の一部ともなっている。そこにソマリア海賊が出没していて、世界の海賊被害のなんと3分の1を占めている。

石油がらみであるからして、日本にしても当然深刻な問題で、日本も商船護衛の為に護衛艦を2隻派遣している。護衛艦と言っても、軍隊のない日本ゆえの名称であって、実態は今や世界的に軍艦の主流を務める駆逐艦だ。

日本でも比較的に名の知られているイージス艦。これも駆逐艦の一種。イージス艦の場合、アメリカで開発された対空システムであるイージスシステムを配備した駆逐艦であるためにイージス艦と言われている。

ソマリアに派遣されている日本の駆逐艦は、純国産の駆逐艦で、当然世界の駆逐艦と比して決して劣る事のない戦闘能力を有している。

中国もソマリアに自国商船の護衛の為に戦艦を派遣してるのだが、その戦艦数は2隻のみ。日本と同じだ。しかし今年1月から、中国は欧米と対等のリーダーとして、ソマリアの護衛に当たる事が認められた。
http://www.earthtimes.org/articles/show/306520,china-joins-us-eu-anti-piracy-operation.html /Fri, 29 Jan 2010

こんな大ニュースなのに、何故か日本のメディアは報道しない。日本のメディアは中国が国際的に重要な貢献をすることがお気に召していないらしい。もっと穿った見方をすると、官僚のポチであるメディアが、お上の意向を汲んで無視を決め込んでいるとも言えそうだ。

日本のメディアは官僚のポチであるが、その官僚はアメリカのポチとも言われている。対米従属をしている限り、日本の官僚機構はお家安泰だ。中国に接近したがっている小沢氏を最も疎んでいるのが官僚だとも言われている。

Googleの一件や、台湾への兵器輸出承認などを見ると、一見アメリカは中国をけん制している様に見えるが、実は要所要所で中国を認めている。この件にしても、アメリカのみならずヨーロッパも中国を認め、特に安全保障の分野では中国はもう欧米の仲間入りを果たしている事がわかる。無論人権問題もあるが、これは残念ながら権謀術数の国際外交おいて、単なる弾丸一つ程度にしか扱われていない。

このソマリアの一件は、アジアの安全保障にとって大変重大な影響を及ぼす。ソマリアにおいて日本と中国は実質的に同じ貢献をしているにも関わらず、中国は欧米の一員となり、その影響力は今やアジア全体に及ぶものとなっている。どの国だって石油の供給源を握られれば弱い。

これでわかるのは、アメリカも日本が思う程の重要度を日本に感じていないということだ。これはアメリカ留学した遥か昔に実感した事なのだが、今やアメリカにとって日本の重要度は中国並みか、下手したらそれ以下だろう。

これは反面いいことだと思う。何故ならこれは日本独自の外交政策を実行できる根拠となるのだから。アメリカと日本が共通の利益となる事であれば協調して行けばいいし、中国と日本が共通の利益となることであれば協調していけばいい。中国敵視は完全に時代遅れだ。(ただ、中国にはいまいち信頼出来ない所があるけれど・・・。特に食品ね。)

ヨーロッパにいると、というか多分アメリカでも同じだろうと推測できるが、そもそも欧米人にとって中国と日本は区別できない。いっしょくたなのだ。

沖縄基地問題なんかにしても、きっとアメリカ人には全然問題になっていない。そうした背景で、外交的に有利に利用したいアメリカ政府のみがこの問題を手玉に取っている。これをヒステリックに問題扱いしているのが、お目出度くも日本のメディアだけで(特に読売がひどいと感じている)、その裏には明明白白な親方がいる。果たして、これが日本の国益に合致しているのか大変疑問だ。因みに、ヨーロッパで沖縄基地問題など報道されもしない。

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