2011/04/05

恐らく福島第一原発近海では今後4、50年は漁業ができないだろう・・・Walter Wildi

福島第一原発事故、避難指示圏を半径40キロに拡張を!
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=29927034&rss=true

Walter Wildi氏
2002〜2007年の5年間、スイス政府の原子力安全委員の会長を務める。
連邦工科大学チューリヒ校 ( ETHZ/EPFZ ) で自然科学の博士号取得

氏の発言の抜粋

原発は廃止すべきだと思う。一つのエネルギー源として極端に高額だからだ。建設費そのもの、安全性の確保、監視、特にテロの攻撃回避の監視などに、巨額の資金がかかる。

また、原発に「絶対の安全」は存在しない。今回スイスでもなぜこんなに騒いだのかというと、この安全性が問題になったからだ。福島で冷却装置が止まったとき、非常用ディーゼル発電も作動しなかった。実はスイスでも安全性のテストを行うと、しばしばこのディーゼル発電が作動しない。作動したとしても直後に停止したりと不安定。つまりこの非常用発電が原発の最大の弱点で、そのため原発に信頼が置けない。

それでも原発を認めるということは、今の日本のように、自分の国の一部を失う、つまりその地域の人が荒廃した土地を後にして再び故郷に戻れないようなリスクを受け入れるということだ。

つい先日半径40キロ圏内のある地点で高い濃度の放射能が観測された。正確な各地の数値が関係当局から出ないので、グリーンピースがこれを行ったのだが、( 日本の当局が ) 原発を持ちながらこうした測定の体制を整えていないことにはただ唖然とした。技術的には非常に単純なことだ。これは政治の姿勢の問題というか、文化の違いというか、われわれには信じられない。

今回は津波のせいだけではない。地震、津波の想定値が低かった。設備の安全性のレベルが低かった。直ぐに冷却しなかった。情報が直ぐに伝わらなかったなど、明らかにこうしたさまざまな要素の総合で起きたのであって、津波だけだとは言えない。

放射能の、特にヨード131とセシウム137が近海の魚貝類の中に蓄積されていく。中でも重いセシウムがたまっていく。従って、恐らく福島第一原発近海では今後4、50年は漁業ができないだろう。

結論として、今後数週間は高濃度の放射能が排出されるだろう。従って信頼できる測定システムを使い、正しい情報を半径40キロ圏やそれ以上の放射能濃度の高い地域の人々に知らせ、避難させることが緊急課題だ。その上で長期的な視点に立った解決策を探ることが重要だと思う。

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私は漁業については、もう少し楽観的に思っているのだけれど、このお方はかなり厳しい予測をしている。日本の放射能観測システムと避難姿勢については、スイスの専門家にとって、信じられない、と映っているというのがショック。もう日本の安全神話、完全に崩壊している。

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