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(オーストラリアの代表的新聞、ザ・エイジ、4月8日号より)
和訳一部抜粋
日本と国内最大の公益事業が何度も危険性を無視し、東京電力安全技術官の2007年の津波の研究を含む警告を軽視してきたことを、東電の調査結果や記録などが示している。
研究論文では、最も慎重な仮定に基づいて、50年以内におよそ10%の確率で、津波が福島第一原子力発電所の防護を超える可能性があると結論づけていた。
東京電力では、過去5年間通常の稼働状況でも、危険な操作ミスが他の公益企業よりも多く行われていたことが、規定記録によって明らかにされている。2008年の別のケースでは、福島第一原発での安全検査に17歳の労働者が、違法に雇われていたことを認めた。
チェルノブイリ災害の研究者でもあるMeshkati教授は、「日本政府はいくつかのアドバイスを受けているが、彼らは東京電力に対応してもらうよう依存し続けている。」と東京電力の安全記録に対して批判的な見解を示していた。
東京電力に対する投資家の信頼が失墜しているさなかに、東京電力は福島県原子力発電所の設計を超える津波の可能性を予測していたことが明らかにされている。
2007年初頭には既に東京電力の科学者たちは、1960年代に設計された発電所の技術より上回る巨大な波が福島の海の防波堤などをのみこむ可能性があることを認識していた。
古い想定には誤りがあったかもしれないという、安全技術士たちの独自の意見にもかかわらず、東京電力は、海水までの迅速なアクセスが可能な太平洋沿岸に建設された福島第一原発に対して新たな調査で安全性を強化することはなかった。
2008年に国際原子力機関、国連原子力監査機関からの質問に対し、日本政府は「定期的に安全機能を再調査するような法規制はない。」との回答を示した。
2010年12月に日本原子力安全委員会は、福島で稼働しているような原子炉では重大な事故が起こるリスクは、"極めて低い"。そのような事故への対応策は、発電所に任せていると述べていた。
経済産業省に属する安全規制当局は、発電所の背景にある基本的な安全性の想定を東京電力に求めなかった。
作業員の誤った判断と発電所管理者の誤った計算が、緊急時の対応を妨げ、1週間後約600名の自衛隊員と作業員は放射能拡散の沈静化に苦労することになった。
スリーマイル島の事故後、1980年代に米国の原子力発電所は"強化製"通気管システムの設定を義務付けられたにもかかわらず、日本原子力安全委員会は原子力発電所に決定権を委ねると言い、1992年このようなシステムの必要性を否定した。
現在の危機では、福島第1および第3原子炉の脆弱性を伴う通気管の不具合によって水素爆発が発生した可能性がある。それにより、屋根が吹き飛び、後には絡み合った鉄梁が残された。
1992年に、当時まだ起きたことのないような危機的状況に際し、重要機器へのアクセスを原子力発電所が事前に備えておくことは重要である、と日本原子力安全協会はまとめていた。しかし、具体的な方針の決定は、すべて原子力発電所に委ねていた。
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海外では、いかに日本の原子力発電に対する安全管理がずさんであったかが報道されているようだ。そういえば、スイスの元原子力安全委員長が日本の安全管理体制について「(あまりにずさんなところが)信じられない」と言っていたことを思い出す。
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