2011/04/10

私は原子力発電には懐疑的、段階的な脱原発が望ましい。原発事故1カ月の感想。

原発事故が起きて、早一ヶ月となる。まだ事態は収拾のめども立っていない。その間の東電や政府の対応を見ていると、疑念に疑念が重なる状態だ。また放射能被害の拡大には激しい憤りを覚えた。原爆被爆国日本は、放射能汚染加害国ともなり、一方で非核と叫びながら、核の汚染や被害を巻き起こし、核の罪悪から一向に断ち切れないでいる。

まるで核の災厄は日本の宿命であるかのようだ。

核の平和利用なら、それが日本経済に寄与するのなら、原発推進もやむを得ないと思っていた。原発や放射能処理関係に働く友人もいるし、原発即時廃止などとなれば、そういった友人の生活も脅かされる事になる。

しかし、一度事故が起きれば、その被害は計り知れない。少なくとも数十兆円の規模になる。私は原子力発電には懐疑的にならざるを得ない。たとえ微量だとは言え、放射性物質が浮遊している所で生活したい者など誰もいないだろう。

河野太郎氏の脱原発に関する意見は私にとって、大変共感できるものだった。原発は新規に作らない。既存のものは寿命と共に廃止する。その間に40年の代替エネルギー開発の時間を得られるので、なるべく再生可能エネルギーへの転換を図っていく。長期的には再生可能エネルギー100%を目指す。

原発から出る廃棄物は何万年単位の保管が必要となる。これから原発関係の技術は、こうした原発廃棄物の効率的処理や保管にシフトしていけばいい。これも大事な仕事だろう。また、既存の原発にはさらなる安全化への改良も必要だ。これは緊急課題でもある。私の友人もあと40年働き続けることは出来まい。若い技術者は、再生可能エネルギーの分野で育って欲しい。後世の日本人に安全で美しい日本を残して行くのは、今の時代を生きる私たちの義務、とも思う。

今後も福島第一原発がどうなっていくのか注意深く見て行きたいが、基本的に私の視点は、段階的な脱原発、で固まった。

以下、河野太郎氏の提言の抜粋

再生可能エネルギー100%を目指す
2011年3月31日 22:16
http://www.taro.org/2011/03/post-970.php

今後、原発の新規立地はできないし、政治的な決断で原発の新規立地を止めるべきだ。この場合、40年で原発を廃炉にするということを考えると、ほぼ2050年までに日本の原発は止まることになる。

具体的には、2020年までに20%の省エネ・節電を実現し、廃炉になる原子力の分を天然ガスと再生可能エネルギーで補っていく。

          2010    2020
省エネ          −     20%
再生可能エネルギー  10%     30% (37%)
原子力        25%     10% (13%)
天然ガス       25%     25% (32%)
石油石炭       40%     15% (18%)
( )内は2020年の電力構成に占める割合

最終的には、さらに省エネを進めながら、再生可能エネルギー100%を実現する。

No comments:

Post a Comment